過去の誘惑
一ヶ月後、カグヤはイルミネートウィズライトムーン内で椅子に座っていた。
そして、ポニーテールを後頭部にぶら下げながらペンダント型端末から映し出された映像をつついていく。
(お父さんとお母さんの画像……それで、きっとこれは住所。また会いたいな)
椅子から元気よく飛び降りたら窓に近づいていき、空を見上げ、
(珍しく晴れてる今なら、会いに行けるかな? ……ううん、会いに行く! お願いフォンダント、力を貸して!)
首から下げているフォンダントを軽く握りしめ、眉尻を上げて決意を固める。
それから、勢いよく部屋を飛び出していった。
イルミネートウィズライトムーンを出たカグヤは、フォンダントを操作し、前方に映像を映し出す。
画面には方角、小さな地図、目的地までの誘導線が描かれていた。
(よし、これで会いに行ける!)
小さく微笑んだカグヤは、街灯で照らされた町中を突き進んでいく。
数分後、カグヤは一旦歩みを止め、不思議そうな顔をしながら周囲を見渡し、
(ん、だれかに見られてるような? それに、なんだか少しあたたかい気持ちが伝わってきてるような?)
小首をかしげながら歩行を再開し、フォンダントの誘導線に導かれていった。
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