九、金縛り
金縛り。体が硬直したように動けなくなる事。主に霊と出会った時に起こる現象と捉えがちですが、実際は医学的な現象だと言われています。
しかし、心霊現象とは関係無いと分かっていても自分の体が思うように動かせなくなるのは怖いですよね。今回は、そんな金縛りに関する私の体験談をご紹介します。
その日は夢を見る事は無かった。瞼を閉じ、夢の世界に入り込んでいく感覚があったが、突然現実の世界に巻き戻され、閉じていた瞼が自分の意志とは裏腹に開いた。
私は眠る時に薄っすらと明かりを点けたまま眠るのですが、薄っすらと見える自分の部屋や外から聞こえる何かの鳴き声が合わさり、ちょっとだけ怖く思えました。
私は逃げるように夢の世界へ入り込もうともう一度瞼を閉じようとしたが、瞼が閉じられない。それどころか、体が動かない。
すると、自分の近くのどこかから自分とは違う気配を感じ、かろうじて目だけは動かせたので周囲を見渡してみると、自分の足元らへんに背の高い女性らしき影が佇んでいた。影には目や鼻や口らしきものが見当たらなかったが、確かにその影から視線を感じる。
見知らぬ影と目を合わせている状況に段々と怖くなり、心臓の鼓動が早くなっていく。
その時、私はもう一つの異変に気付いた。
呼吸が、出来ない。
この時、私の喉は蓋をされているかのように呼吸が出来なくなっていた。どんどん息苦しさが増していき、視界が歪んでいく。
このままでは死ぬ。もはや影の事などどうでもよくなり、どうにか金縛りを解く為に体を動かす事に意識を集中させる。
心の底から体をバッ!と動かすように考えると、私の体は私が考えたとおりにバッ!と動いた。
金縛りが解けると呼吸が出来るようになり、落ち着いた頃にもう一度影が立っていた方を見ると、そこには何も無かった。
この時の体験がきっかけで、自慢ではないですが金縛りを解くのが得意になりました。
みなさんも金縛りにあった際は、その現象に臆する事なく『体を動かす』事に集中してみてください。きっとすぐに金縛りを解く事が出来るはずです。
人の体は案外単純に出来ているので。
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