第3部 第14話
「くっ、まだまだ!」
アンデッドに変化した人間は元には戻らない。せめてトドメをさして楽にしてあげなきゃ、、、
「か、数が多い、、、!」
助けを呼ぼうにも周囲を何百体以上ものアンデッドに囲まれ、木々を飛び移ろうとしても、彼らは木を登ってくる。大して意味はないだろう。私は一刻も早くジュンペーさんたちの助太刀に行かなくてはならない、ここで魔力を使うのは避けたい、なので化身の力は使わずに物理的な攻撃のみで倒していく。
「はぁ、はぁ、、、」
これでもう100体は倒した。だが、アンデッドはまだまだあふれてくる。これではキリがない、、、
「あ、諦める、、、わけには、、、」
もう限界だ、化身の力を使おう。
「大地よ、隆起し、敵の足枷となれ!」
地面を操作し、一時的に大きな地震を起こす。
「よし、これで、、、」
しかし、一部のアンデッドは大きな揺れをものともしない。
「グオオォォ!」
「ギャオオォォ!!」
「な、なら、、、水よ、凍てつき我が刃となれ!」
剣の形の氷を生成し、敵に向かって降らせる。
少しは数が減っただろうか、もう魔力はほとんど残っていない。体力も気力も限界だった、、、私は、、、ここで、、、死ぬのかな、、、
「ぐ、、、」
左腕をアンデッドに噛まれる。痛い、痛い痛い痛い痛い、、、怖い、怖い怖い怖い、死ぬのは怖い、ましてや誰も守れず死ぬなんて、、、こんなの、無駄死にだ、、、
私は徐々に体を食われ、意識が遠のいていく。絶望の中、私の記憶はここで途切れた。
「ど、どうすればいい、、、?」
俺は迫り来る地の巨人メガ・ギガントスをただ見ていた。もう残された手はない、ただ踏み潰されるのを待つしかないのだ、、、その上、避難所の方角からは途方もない数のアンデッドが押し寄せてくる、、、
「それ、、、でも、、、」
マイリンは死んだ、この様子だとウサギも無事では済まないだろう。
「俺は、、、死んでいった奴らのためにも、、、」
俺はここで死ぬ。
「生きなくちゃ、、、勝って生きなくちゃいけないんだ、、、!」
巨人の群れに突っ込んでいく。直感だがもう転生はしない、まあ悪い人生じゃなかった、この世界では人に恵まれてたしな。
「うおおおおおおお!!!」
俺のささやかな抵抗は地獄天災に大した影響を及ぼさず。1人の青年の特攻は無意味に終わった。
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