第3部 第13話

「はあ、はあ、、、皆さんこっちです。ついて来てください、、、!」

私は戦闘能力のない女性や子供を引き連れて、避難所へ向かって森を駆け抜けていた。もうすぐ、後もうすぐで国家指定の避難場所にたどり着く、、、竜はジュンペーさんたちがどうにかしてくれると信じて、私たちはただひたすらに走る、、、だがそんな中で、異変は突如として起こる。

「おかーさん、おかーさん!どーしたの、かおいろわるいよ!?」

「!?どうしたんですか、そこの女の子!?」

一緒について来ていた幼い少女が声を上げる。

「おかーさんのへんじがないの!かおいろもわるいし、、、」

「!!まさか、これって、、、」

周囲にいた他の人たちも徐々に青ざめていく、、、これは、、、

「、、、第四の、、、地獄天災、、、!」

地獄天災によって衰弱した意志の弱い人間はアンデッドになる、、、文字通りその光景は地獄そのものだった。ついさっきまで一緒にいた人間が他の生者を食っていく、、、

「そ、そうだ!誰か生きてる人はいませんか!?誰でもいいですから、返事を、、、」

だが、その言葉に反応したのは、私に食いつこうとするアンデッドのみであった。さっきの少女の姿もない、、、そ、そんな、、、

「くっ、、」

私は大量のアンデッドの対応に追われた。しかし、気力はもうほとんど残っていなかった。誰一人守れなかった、、、あの時のように誰も守れず、、、

「いや、違う、、、」

私には帰るべき場所がある、GJという、新たな『家』が!

「私はまだ、、、死ねないんです、、、!」


「俺の分身ストックはまだ残ってるぞ!」

ジョンは何百体もの分身を出して、果敢に竜に挑む。

「俺たちも続くぞ!最後まで足掻いて見せよう!」

「わー!!」

だが、1000メートル近くもある巨大すぎるドラゴンに敵うわけもない。それは動けば大地が揺れ、飛べば暴風が発生する、正に天災だった。

「だ、誰か残ってないか、、、?」

気付けばジョンの本体も消え、生き残っているのは俺一人に、、、

「ま、、、まだ、だよ、、、!」

「!マイリン!生きてたのか!」

マイリンは一部骨が見えるほどの重傷を負っていた。

「ね、ねえ、ジュンペークン、、、最期にお願いがあるの、頭、撫でてほしいな、、、」

「、、、!あ、ああ、何度だった撫でてやる」

俺は彼女の希望通りに頭を撫でた。すると、彼女は最期の力を振り絞り、立ち上がる、、、

「この銃弾、絶対に使わないって決めてたのにな。これはね、相手の強さに関係なく、当たった対象を必ず一撃で仕留めるの、、、」

俺は嫌な予感がした。この謎の覇気、まさか、マイリンは、、、

「だ、ダメだ、マイリン!よせ、、、」

「私、みんなに出会えて幸せだったよ、、、じゃあね、、、」

「マイリン!!」

バシュウゥ!という一発の銃声は、平になった土地に響く虚しい音、されど銃弾の軌道は確かに竜のど真ん中を撃ち抜いていた。それと同時にマイリンの体から力が抜け、倒れていく。

「マイリン、マイリン!しっかりしろ、マイリン!!」

だが、彼女はその呼びかけに応えなかった、、、マイリンは、、、死んだのだ、、、恐らく、さっきの銃弾は必殺の魔弾、代償は使用者の命、、、

グ、グオオォォ、、、

巨大な竜は少女の決死の覚悟で倒されたのだ。

「こ、こんなの、、、こんなのって、、、」

俺は少女一人満足に救えず、結果彼女の犠牲の元で辛くも勝利したのか、、、こんなんで勝ちだなんて言えるか、、、

ドーン、ドーン、、、

「な、なんだ?まだ、何か、、、」

大きな地響きを感じて、辺りを見回す。

「あ、あれは、、、!」

遠くからでもはっきり見える、あれは、、、

「地獄天災、地の巨人メガ・ギガントス、、、」

何十体、何百体もの巨人の軍勢。もうそこに希望なんてない。俺はここで死ぬ、そのエンドにただ向かっているだけだった。

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