第3部 第12話
「ウサギ、お前は足が速いから、そのスピードを活かして生き残った市民の避難誘導を頼む。マイリンとジョンは俺と一緒にアレを倒すぞ」
俺は3人に指示を出していく。
「そ、そんな、無茶です!いくらなんでもあの大きさのドラゴンを倒すなんて!山より大きいですよ!?」
分かっていた、状況は絶望的だと。
「でも、、、やるしかないだろ、、、」
そうだ、俺には役目がある。日本からの転生は偶然じゃない、他の死んでいった人たちのためにも、、、
「こんなところで死んでたまるか!」
俺のその雄叫びに呼応するかのように逃げ惑う人たちの中から大勢の有志が現れた。
「おい!俺たちも戦うぞ!」
「ああ、お前のその諦めない姿、痺れたぜ!」
「み、みんな、、、!」
俺は感無量だった。きっと一緒なら乗り越えられる、、、!
「じゃあ、私は市民の皆さんを避難場所まで誘導します!どうか皆さん、ご無事で、、、!」
「うん!ウサギもね!」
「ああ、絶対また会おうな!」
「生きて、また、な!」
俺たちは互いの無事を祈りながら別れた。
「おい、誰でもいいからアレの弱点を知ってる奴はいないか?」
俺の言葉に答える者はいなかった。だが、、、
「と、とりあえず的がでかいから、命中率が不安定な魔法とかで攻撃するのはどうだ?」
「それなら、私が!攻撃力が高いからきっと役に立つわ!」
俺たちは限られた時間の中で、なるべく成功率の高い作戦を立てる。
「よし!みんな、行くぞー!」
「おーー!!」
作戦はシンプル、ジョンの分身を筆頭としたタンクが前衛で耐え、背後から攻撃力の高いマイリンを軸にしたアタッカーがたたみかける。だが、この作戦には難点があった。それは竜のステータスが分かっていないことだ。あの大きさがあるし、一筋縄ではいかないだろう。
「ブレスが来るぞ!タンク!構えろー!!」
グオオォォォォ!
凄まじい熱気だ。後方にいるだけでも熱が伝わってくる。
「か、壊滅だ、、、」
そのブレスは一撃で何十人ものタンクをアタッカーもろとも飲み込んだ。
「そ、そんな、、、」
「こ、こんなの勝てるわけない、、、」
俺たちの士気は直角に曲がって落ちていた。後ずさりする者、逃げ出す者、それでも尚立ち向かおうとする者、様々だった。俺は、、、
「ま、まだ戦おうとする奴は俺に続け!突っ込むぞ!!」
「おー!」
俺はジョンたち10名ほどの勇者を引き連れ、捨て身を覚悟で竜に挑んだ。
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