第3部 第8話
「大地よ!」
私は地面を揺らして地震を起こし、村人の向ける銃口をブレさせる。
「うわっ、、、」
「1人で何十人も相手にできると思うなよ!弾が当たればこっちのもんだ!」
隠れていた村人が追尾機能を持った3発の弾を打つ。だが、、、
ガ、ガ、ガキィン!
私はピーターから受け継いだ視力で弾を見切り、2本の短剣で全てさばき切った。
「な、何!?こいつ、魔法だけじゃなくて剣術にも精通しているのか!」
「これでも元は素早さが売りだったんですよ、、、!風よ!」
不安定な足元の中で縦横無尽に飛び回る対象を撃ち抜くのは容易ではない。念のため追尾弾が打てる銃を切り刻んでいく。
「ひぃっ!一瞬で追尾の銃を見抜くなんて、、、」
「そこっ!」
「ぎゃあぁぁ!」
私は村人を死なない程度に炎で焦がした。
「ふう、こんな所でしょうね」
この身に宿る化身の力があれば、銃なんておもちゃのようなものだった。
「ウサギ!こっちは片付いたよー!」
「こ、こっちも問題ない、、、」
マイリンと鬼が姿を現す。マイリンの方は大した怪我ではなかったが、鬼の方はやや重い傷を負っていた。
「だ、大丈夫じゃないでしょ?待ってて、今、回復魔法をかけるから!」
「す、済まない、嬢ちゃん、、、」
マイリンは鬼の傷を魔法で癒していく。
「まあ、あたしの魔法なんて初歩中の初歩だけどね」
マイリンの回復魔法も一段落した。
「さあて、この人たちをどうしましょうかね?」
「ひっ、ま、待ってくれ!命だけは、、、」
「あなたたちはその命をもてあそんだんです。それなりの代償は覚悟してくださいね」
「おっと、彼らの処遇は僕に任せてくれないか?」
突然、中年ほどの男性が現れた。
「!?」
彼は何もない空間から、音もなく、気配もなく現れた。
「、、、あなた、何者ですか?」
「まあ、そう構えないで。僕はね、魔法攻撃力のマスターで国家ギルドの一員なんだ。ほら、これ、証明書。だから、ちょうどいい罰を彼らに与えられる」
「!、、、なら、任せてよさそうですね。マイリン、鬼さん。お2人はいかがですか?」
「うーん、おじさんの言ってることが本当なら丸投げしちゃってもいーかもね!」
「お、俺も同意する。そいつに一任しよう」
私たちは村人を1人残らず謎の男に引き渡した。
「よし、それじゃあ、行くよ!マージック!」
「!」
彼の一声でその場にいた村人が全員姿を消した。転送魔法か、、、
「あなた、魔法の腕はどうやら本物のようですね」
「おや?君が噂のウサギだね?化身の力、興味深いなぁ」
男は私を覗き込むように見てくる。
「な、何ですか、、、?」
「うむ、決めた。私と手合わせ願いたい。いいかな?」
正直突然のことの連続で上手く頭が回らなかった。だけど、私なら、、、化身の力を宿した今の私なら何にだって勝てる気がした。
「分かりました。場所はこの森で良いですか?」
「構わないさ、、、さあ、始めようか!」
マイリンと鬼の観覧の中、突如としてマスターとの一騎打ちが始まった。
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