第3部 第7話

私たちは鬼とマイリンの案内で村に到着した。

「お、鬼だ!鬼が逃げてきたぞー!」

「対鬼用の徹甲弾を持ってこい!生かして返すな!奴は決まりを破ってきたんだ!」

村人は混乱して逃げ惑う者もいれば、鬼に対抗するために武器を用意する者もいた。

「な、なあ、嬢ちゃん。やっぱり、今からでも俺は元いた場所に、、、」

「ダメです、あなたが心優しい『ヒト』だとしても、私は彼らを許すことは出来ません。力を使って半殺しにしてやります」

「す、済まない、俺なんかのために、、、」

「勘違いはしないで欲しいです。私は自分の怒りを鎮めるために、これから戦うんです」

「、、、ねえ、ウサギ、私も戦う!ウサギと一緒に戦うよ!」

「分かりました、マイリン。鬼さんはどうしますか?奴らは鬼の扱いには慣れているようですし、あなたには隠れていて欲しいんですが、、、」

「、、、いや、俺も戦う!これは俺が起こした戦いでもあるしな!」

「、、、よし、皆さん、行きますよ!」

「おー!」

私たちは散り散りになり、銃で武装した村人たちを各個撃破していくことになった。


一方のジュンペーは、、、

「サモン、ガイマル!」

、、、またダメか、、、

「ジュンペー、君はあくまで門だ、そのイメージを忘れるなよ!」

俺は魔法攻撃力のマスターである親父監修の元、サモンを身につけるための特訓をしていた。

「なあ、親父。俺が突然サモンを使えなくなったのには何か理由があるのか?」

俺の質問に親父は首をひねる。

「うーん、詳しいことは僕でも分からないが、現世に執着する死人の数が減ったのが原因かも知れないな。君の門としての役割を求める死人の力でサモンは発動していたようだし、、、よし、もう一回いこう!」

ここは親父が用意した特殊な空間で、時間の流れが普通ではない。親父曰く、ここの1日は普通の空間の1分に相当するらしい。なので時間を使う訓練には打って付けのようだ。

「ジュンペー、イメージするんだ。君が想像した人物のみが通れる門を!」

「、、、!」

俺はガイマルと共に過ごした日常を思い出す。そう言えば、あの日はガイマルと串揚げ屋に行ったっけ。あの時の俺は運が良かったから、色々サービスしてもらってたな。あいつはその恩恵にあずかろうと、これでもかと豚串を食べてたな、、、

「お?この光は、まさか、、、」

ダンジョン攻略の時はいつも事前に情報を仕入れてきたくれてたな。お前にはいつも助けられてばかりだった。だが、恩返しをする前にお前は死んでしまった、、、なあ、ガイマル、お前は俺をどう思っているんだろう、、、

「ジュンペー、成功だ!ついに君はサモンを身に付けたんだ!」

「よ、、、っと。久しぶりだな、ジュンペー」

「、、、ガイマル」

俺の目の前には神々しい光をまとったガイマルの姿があった。

「今はお前が俺の主人だ。何なりと命令を」

「なあ、親父。これって、、、」

「ああ、ジュンペー。彼は生前よりも強い状態で召喚されている。君はサモンという術を更に磨き上げたんだ。私との特訓はもう終わり、君の好きなようにするといい」

「、、、じゃあ、ガイマル。俺の言うことを聞いてくれ。俺たちのために戦ってくれてありがとう。ダンジョン攻略の時とかに色々調べてくれてありがとう、、、一緒にいてくれて、ありがとう」

「ははは、何だよ、水臭いな、、、」

ガイマルの目からはうっすら涙が溢れていた。そして俺はサモンを解除して、ガイマルを見送った。

「親父、俺、行ってくる!」

「ああ、行ってこい!」

俺は親父に見送られながら、仲間を信じてGJの小屋に戻っていった。

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