第3部 第3話
「なあ、ウサギ、マイリン。今日は俺1人で事務作業するからお前たちは2人で街にでも行ってこいよ」
「え、いいんですか、ジュンペーさん?まあ確かに今日の仕事は少なそうですが、、、」
「ジュンペークン、ホント?じゃあ、お言葉に甘えて一緒に行こ、ウサギ!」
私とマイリンはジュンペーさんに仕事を任せて街へ繰り出すことになった。
その道中、、、
「ね、ウサギが持ってるその短剣、綺麗だよねー?どこで買ったの?」
マイリンは虹色の短剣を指差して尋ねる。
「、、、これは化身と呼ばれる方々の力の結晶のようなものです」
「え!?化身!?化身ってあの有名な集団でしょ?そんな人たちから力を託されるなんて、ウサギってやっぱり凄いじゃん!」
「あ、ありがとう。化身って有名なんですね」
話しているうちに街に着いた。
「ねえ、ウサギ!このネックレスなんてどうかな?ウサギに似合いそうだよ!」
「うーん、私は戦うとき結構動くので、ネックレスはあまり気乗りしませんね」
「そっかー、、、あ、じゃあ、指輪なんてどう?ステータスも上がるよ!」
「指輪、、、指輪か、、、いいですね、それなら戦闘の邪魔にはならなそうですし」
「よっし!じゃあ、一緒に探そ!」
私はマイリンと一緒に指輪の専門店を訪れ、お揃いの指輪を買うことになった。お揃いなんて少し気恥ずかしかったが、せっかくの機会だとマイリンに勧められて承諾した。
「マイリン、お昼ご飯はどうしましょうか?」
「あたし、ラーメンが食べたいな!」
「ラーメン?意外ですね。もう少し女の子らしいものが好きなのかと」
「え、そう?あたし、女の子っぽいかなぁ?」
恥ずかしがるマイリンと私は近くにあったラーメン屋に入った。
「うーん、やっぱりラーメンは豚骨に限るなー!」
「お、お嬢ちゃん、豚骨の美味さが分かるか?なかなか通だねえ!」
マイリンと店主は意気投合したようで、豚骨ラーメンについてしばらく語り合っていた。
帰路にて、、、
「今日は楽しかったね、ウサギ!」
「はい、マイリンの意外な一面も見られましたしね」
終始和やかなムードで散策は終わった。だが、帰ってきた私たちの目に映ったのは衝撃的な光景だった。
「、、、何これ、、、」
そこにあったのはボロボロになった小屋。所々塗装が剥がれ、沢山の傷がつけられていた。
「そうだ、ジュンペーさん!ジュンペーさんは、、、」
小屋に入ってジュンペーさんを探したが、彼の姿はなかった。
「ま、まさか、、、」
「マイリン、何か心当たりがあるんですか?」
「、、、うん、2人には言ってなかったんだけど、、、」
マイリンがそう言いかけたその時、私は殺気に気付く。
「!誰ですか!?」
「ふむ、私たちの気配を読むか。なかなかの力の持ち主のようだな」
木々の陰から現れたのは銃を携えてフードを被った集団だった。
「マイリン、帰ってこい。俺たちにはお前が必要なんだ」
「嫌だ!あたしはここにいたい!」
「マイリン?」
まさか、この人たちはマイリンの村の人間?
「だが、こうしてギルドの人間に迷惑をかけているじゃないか?果たして彼らはお前を許してくれるかな?」
「そ、それは、、、」
「許します!」
「ウサギ、、、?」
「これはマイリンの責任ではありません!紛れもなくあなたたちのせいです!どんな理由があるかは分かりませんが、あなたたちにマイリンを渡すわけにはいきません!」
「、、、マイリン、お前の考えはどうなんだ?」
「あたしは、、、GJにいたい!みんなと一緒にいたい!村には戻らないよ!」
「そうか、なら仕方ない。強行策に出るぞ!」
銃を携えた集団との戦闘が始まった!
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