第3部 第2話

ある日の昼過ぎ、、、

「はーい!ちゅーもーく!」

「お?どうした、マイリン?ってこれ、黒板じゃないか。どこから持ってきたんだ?」

「えへへ、実はねー、サブスペースポケットっていう、便利な収納魔法を使って村から持ってきちゃったんだー!」

「あ、それ、アンドリューも使ってました。確かに便利そうですね。それで、何か講義でもするんですか?」

「そーなの、ウサギ!みんなにはとある昔話を教えるよー!2人ともこの世界の成り立ちとか歴史とかに疎そうだったからねー!」

「お、面白そうだな。ぜひ頼む」

「ジュンペーさんに同意します。それじゃあ、お願いしますね」

「そんじゃ、早速!かつて世界の大地には動物も植物も存在せず、ただ無が広がっていました。そんな中、突如現れた火炎竜レッド・ドラーゲンというドラゴンが大地に火を吹き、その後に発生した大浪ビッグ・ウォールという巨大な波が大地を覆い、更に地の巨人メガ・ギガントスという人型の巨大な生物の死骸が大地となり、今の世界が成り立ってるの!」

「な、なんだか御伽噺みたいだな、、、」

驚く俺の横で、ウサギは目を輝かせながらマイリンの話を聞いていた。

「お?ウサギ、ノリノリだねー?」

「はい!私、マイリンの話、もっと聞きたいです!」

「よし、それじゃあ、次!メガ・ギガントスとビッグ・ウォールによって陸と海ができた後、レッド・ドラーゲンが炎で土を焼き、その土から人間が出来たって言われてるの!どう?壮大でしょ?」

「、、、じゃあ、今俺たちがいる陸地も、そのメガ・ギガントスとやらで出来てるのか」

「マイリン!その後の人間はどうやって文明を発展させていったのですか?」

「いい質問だね、ウサギ!やがてメガ・ギガントスが絶滅し、全ての死骸が人間に生まれ変わったある時、一部の人々は魔法を、また一部の人々は剣術を身に付けました。彼らは覚えた技術で、多大な犠牲を払いながらもレッド・ドラーゲンを封印することに成功しました。その後、人間は初めて国という区分を作り、それぞれが発展していくことになるのです!どうどう?我ながら昔のことをよく覚えてるもんだよー!」

「へえ、そのレッド・ドラーゲンとかいうドラゴンは倒したんじゃなくて封印したんだな。それは今どこにあるんだ?」

「あ、それ私も気になります!」

「あー、それはね、あたしも教わってないんだー。ごめんねー、、、でもね、この話にはまだ続きがあって、いずれこの世界はレッド・ドラーゲン、ビッグ・ウォール、メガ・ギガントスから成る4つの地獄天災によって滅ぼされるって言われてるんだ!」

「お、おう、、、急に不穏になってきたな、、、」

「ねえ、マイリン。4つの地獄天災ってことは、もう一つ何かあるんですか?」

「うん、あたしは地獄天災は4つ存在するって聞いたよ。でも、それが何かまでは聞いたことないなぁ、、、」

「ありがとうございます、マイリン。お話、面白かったですよ」

「ああ、いい気分転換になったよ」

俺たちはマイリンにお礼を言い、それぞれの業務に戻るのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る