第2部 第12話
「は、ははは、、、私の負けだ。まさかこんな小娘1人にやられるとはな、、、」
「いえ、私1人ではありません。化身の皆さんの力があってこその勝利です」
「そうか、、、もう抵抗はせん。煮るなり焼くなり好きにするがいい、、、」
私の心は最初から決まっていた。
「あなたは殺しません。正式に裁判を受けてもらいます。4兄弟が対話を望んでいた相手です、簡単に終わらせてなるものですか」
「、、、ああ、奴らも、、、いい仲間を持ったものだ、、、」
このまま穏便に終わるかと思われていた、その時、、、
「はーっはっは!まだ終わってないぜ!お2人さん!」
「!?何奴!?」
「この声、まさか、、、」
「ああ、俺様だぜぇぇ!」
ミハイルの声がどこからともなく聞こえてきた。監獄を脱走してきたのか?まずい、奴の狙いは私たちだ。化身の力を宿した私と、あらゆる剣技を身につけたアンドリュー。これらの力が奪われてはますます奴の思い通りだ、、、
「なら、、、」
「おっとー?お前に抵抗する余力なんてあるのかなー?」
「くっ、、、」
悔しいがミハイルの言う通りだった。先ほどの戦いで体力を大幅に消耗している。これ以上の戦闘は、、、
「だけど、、、」
ここで負ければ化身の皆さんの犠牲も無駄になってしまう。最後の最後まで戦って見せる、、、!
「風よ、吹きすさび、敵を炙り出せ!」
ブオー、と暴風が吹き、周囲を駆け抜ける。それは木々をなぎ倒し、ミハイルの隠れる場所を狭めていった。
「うお、、、流石に隠れられないか、、、」
遂にミハイルが姿を現した。衣服はボロボロで、無精髭を生やし、所々に傷がある。いかにも監獄から出てきて間もないといった感じだった。
「よお、久しぶりだな、ウサギ。元気にしてたかぁ?」
「ミハイル、脱獄してきたんですか?」
「ああ、そうさ。どうにか脱走できたんだ。って言うか、お前、新しい力を身につけたらしいな。そこのおっさんもいい剣技をお持ちで、、、ああ、欲しい、、、お前らの力が欲しいなあ、、、」
「気をつけてください、アンドリュー。彼は殺した相手のステータスと能力を奪います、、、」
「ああ、承知した、、」
私たちはそれぞれ武器を構える。だが、足が震え、短剣を握る手にもまともに力が入らなかった。
「無理をするな、娘。彼は私が抑える。だから、助けを呼んでこい」
「で、でも、、、」
このパターンは前にもあった。ジュンペーさんは偶然転生を果たしたが、今回は違う、、、
「、、、いえ、私も戦います!」
「ふ、そうか、、、」
「おいおい、戦いに真っ最中にお喋りかよ!?呑気な奴らだなぁ?」
ミハイルが私たちとの距離を詰める。ところが、、、
「させない!」
割って入ったのは兄様とガイマルさんだった。と言うことは、、、
「無事か、2人とも!?」
「ジュンペーさん?」
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