第2部 第9話
化身の皆さんがGJに馴染んできたある日、、、
「ジュンペーさん、人斬りですか?物騒ですね、、、」
「だよな、ウサギ。しかも被害者は全員実力を持った強者ばかりだ。奴は強いぞ、きっと」
私たちが小屋のリビングで話していると、化身4兄弟も起きてきた。
「おはよう、みんな、、、って、どうした?2人とも顔が暗いぞ?」
「ああ、人斬りが出たらしいんだ」
ジュンペーさんのその言葉に4兄弟の顔色が変わる。
「ウサギ様!今日の単独でのお仕事、我らもご一緒させてください!女性が1人では我らも不安でなりません!」
「どうしたんですか、ピーター?私はこう見えても強、、、」
「いいえ、私たちも同じ考えなので同行します。ですよね、ウィリアム、エピット?」
「その通りだ、俺たちも行くぞ」とウィリアム。
「うん、俺っちも心配だな」とエピット。
「いやあ、ウサギなら大丈夫だろ?お前たちは予定通り、俺たちと一緒に書類の整理をしてもらうぞ」
「ですが、、、」
「おい、カルヴァン。それ以上はウサギに対する侮辱だ。こいつは本当に強い。俺はウサギを信頼してるから仕事を預けたんだ」
「そ、そうですか、、、ジュンペーがそこまで言うのなら仕方がないですね、、、」
カルヴァンたちは渋々承諾した。
私はその日、軽い荷物を目的地まで運ぶ依頼を受け、森の中を進んでいた。そして1軒の家屋に到着する。
「おやまあ、こんなに小さい女の子が1人で、まあまあ」
出てきたのは1人の老婆だった。
「これ、以来の箱です。中身までは見てないので心配無用ですよ」
「ありがとうね。そうだ、せっかくだから部屋でお茶でもいかが?」
「え、、、でも家で仲間が待っているので、お気持ちだけ受け取っておきます」
「そう?なら、、、」
老婆は家の奥に進み、すぐに戻ってきた。
「このお菓子だけでも持っていってちょうだい。私の手作りなのよ」
「あ、ありがとうございます、、」
私は老婆と別れ、お菓子に舌鼓を打ちながら森を歩いていた。一応1人分しか貰わなかったので、小屋で待つみんなに対する罪悪感はさほど感じなかった。
そんな中、突如として歳をとった男性の声が聞こえた。
「もし?お主、化身を知らないか?」
「、、、!?誰ですか?姿を見せてください!」
私には分かる、これは殺気だ。しかもそれは私に向けられている。
「もう一度だけ問う。知らないふりをするなら、お主を斬る」
その声の主は、、、
「はっ!」
そこにいる!私は足元にあった石ころを思いっきり投げつけた。
「ふっ!」
だが、その石は鋭い金属音と共に弾かれた。そして、老人は姿を現す。
「ほう、私の気配だけで居場所を特定するか。なかなかの使い手よ」
「誰です、あなた?」
「私はどうやら世間では人斬り扱いされているようだ。本当は半端者を片付けているだけなのにな」
この人、まさか今朝ジュンペーさんが言っていた人斬りか、、、!?
「お主、化身を知っておるな?彼らを引き渡せば、お主の身の安全だけは保障しよう」
「、、、断ったら?」
「お主を斬る」
間違いない。こいつは化身を殺す気だ!
「お断りします。私はあなたを止めなくちゃならない!」
「いい覚悟よ、娘。ならば、その命、頂戴する、、、私はアンドリュー。しがない剣士よ!」
「私も名乗っておきます。私はウサギ。誇り高き、GJの一員です!」
私とアンドリューの戦いが始まった!
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