第2部 第3話

「けほっ、けほっ、、、」

ある日、俺は風邪をひいた。久しぶりだな、異世界に転生したからは初めてかも知れない。

「具合はいかがですか、ジュンペーさん?おかゆ持ってきましたよ」

「あ、ああ、ありがとうな、ウサギ。ギルド管理だけでも忙しいだろうに」

「いえいえ、普段からジュンペーさんは頑張ってますから、気にしないでください。はい、あーん」

「い、いやいや、1人で食えるから、大丈夫だって。けほっ、って言うか俺と一緒にいると風邪がうつらないか?」

「構いませんよ、そんなの。私はこう見えても丈夫なんですよ。それじゃあ、おかゆ、ここに置いておくので私は依頼をまとめてきますね。何かあったら呼んでください」

ウサギはそう言い残して部屋を出た。

「ジュンペー、大丈夫か?」

「うわっ、ビックリした!なんだ、ガイマルか、、、」

ガイマルが黄泉から顔を出してきた。

「風邪かぁ、1人だとどうしても不安になるよな。だが、俺にはその気持ちはもう分からん。なにせ、俺、もう死んでて風邪なんてひかないからな!がっはっは!」

「、、、それ、けほっ、励ましてるのか、、、?」

10分ほど話すとガイマルは黄泉に戻っていった。すると、代わりばんこにウサギの兄も現れた。

「調子はどうだい、ジュンペー?」

「ほどほどだな、明後日には治ってそうだ」

「そうかい?君は働き者だから、こういう時こそしっかり休むんだよ?」

ウサギの兄貴とも10分ほど話し、彼は黄泉に帰っていった。

「ジュンペーさんー!」

今度は誰だ?

「ジュンペーさん!ご無事ですかー!?ご気分はいかがですか!?」

以前ギルドで働いてもらった村の男たちがやってきた。

「お前たちは、あの時の村の奴らか。けほっ、、、病気の女の子は大丈夫か?」

「はい、お陰様で!都会の有名なお医者様を呼んで治療してもらい、今は安泰です!この調子だと1ヶ月もしない内に完治する予定です!」

「おお、けほっ、それは何よりだ。それで、今日は何の用だ?」

「はい!風の噂でジュンペーさんが寝込んでいるとお伺いしたもので、私たちも何かできないかと思いまして」

一体どこから聞いたのか、、、

「そうだな、せっかくだからウサギを手伝ってくれないか?依頼書をまとめてるはずだから、一緒に作業してあげてくれ」

「はい!喜んで!」


「はあ、、、」

さっきまではいろんな奴らが立て続けに来て騒がしかったが、こう、体調が悪い時に一人でいると、流石に寂しいな、、、

「けほっ、けほっ、、、」

窓から外の様子を見る。もう夜か、、、

「けほっ、、、」

重症ってほどでもないから近い内に治るだろう、だが少し心細かった。だが、、、

「ジュンペーさん」

「ジュンペー!」

「ジュンペー」

「ジュンペーさん!」

「お、お前ら、、、」

ウサギとガイマル、ウサギの兄貴に村の男たち、全員がまとめてやって来た。ああ、いい仲間に恵まれたな、、、

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