第12話

ガイマルはミハイルの魔法と剣での攻撃を必死に防いでいる。エンドレスペインのせいか、流石のガイマルもダメージが蓄積し続けていて、呼吸が荒くなっていた。その隙に俺とウサギは徐々にミハイルに近づいていく。その間も炎の魔法や落石を避け続けていた。

「ミハイル!お前との因縁に、ここでケリをつけてやる!」

「ち、、、」

「そこだ、、、!」

俺は動かなくなった左腕を無視してミハイルに突っ込む。もう少しで、、、

「なら、このバランサーはいらないな」

ミハイルは持っていた宝石を投げ捨てる。すると、、、

「がは、、、」

「ガイマル!」

「ガイマルさん!」

俺から奪った攻撃力でミハイルはガイマルに一撃を喰らわせる。たったの一発で勝負が決まってしまったのだ。

「そ、そんな、、、」

倒れたガイマルに近寄って確認をしたが、彼は既に呼吸をしていなかった、、、死んだ、ガイマルは死んだのだ、、、

「ははは、お前の攻撃力とこのエンドレスペインは相性抜群だな!殺した相手はどんな回復魔法でも治せない!」

「ガイマルさん、、、」

「ジュンペー!ウサギ!お前たちのせいでガイマルは死んだんだよ!ジュンペーが事前に俺の企みを知っていれば!ウサギが召使いである俺をもっと警戒していれば!こんなことにはならなかったのになぁ!?」

「ち、ちっくしょ、、、」

今の俺たちではどう足掻いてもミハイルには勝てない。それは明白だった。

「さて、どっちが先に死ぬ?ジュンペーか、ウサギか」

「、、、」

だが、俺にはまだ希望があった。だから俺は小声でウサギに伝える。

「俺が奴の気を引きつける。その隙に逃げろ」

「で、でも、、、」

「いいから!俺には考えがあるんだ。俺を信じろ!」

「は、はい、、、」

「話はまとまったか?」

「ああ、ミハイル!俺が相手だ!」

俺はわずかな可能性を信じてミハイルに特攻する。

「ほう?まだ抗うか。いいだろう、お望み通り、、、!」

「今だ、ウサギ!」

「、、、!はい!」

「なんだ?まだ何か策でも、、、」

ウサギは持ち前の素早さを活かし、木々を飛び移り、一目散に逃げていった。

「、、、?そうか、これがお前たちの作戦か。ジュンペーが囮になり、ウサギに助けを呼ばせる、、、」

「どう解釈しようとお前の勝手だ、ミハイル。さあ、俺を殺してみろ!」

「ああ、お望み通りにしてやる!かつてのお前の物理攻撃力と今のお前の運、そして他の殺してきた奴らの力が合わさった俺は、もう誰にも止められない!」

避ける間も無く、俺はミハイルの一撃を受けた。俺の記憶はここで一旦途切れた。

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