第8話
ある日、俺たちはGJへの依頼が少ないタイミングを見計らって、久しぶりにダンジョンの攻略をすることになった。
「俺はレベルがカンストしていて、満遍ないステータスでオールラウンダーな動きが出来るぞ。改めて、みんな、よろしくな!」とミハイル。
「ミハイルがGJに入って初めてのダンジョン攻略だな。今までの俺たちは魔法に疎かったから、攻撃魔法や支援魔法、回復魔法を担当してもらおうかな」
「OK、ガイマル。じゃあ、愛用のマジックステッキを持っていくか」
ミハイルは大きなカバンを漁り、その中から一本の杖を取り出した。
「よし、それじゃあ全員で行くぞ!」
ガイマルが音頭を取り、4人で小屋を出た。
道中、、、
「なあ、気になったんだが、GJのリーダーって誰なんだ?」
「え、、、」
ミハイルの突然の質問に、その場にいた全員の体が一瞬固まる。
「あー、それはきっとガイマルだなぁ」
「え、そうか?ジュンペー。俺か?」
「ええ、ジュンペーさんよりも、どちらかと言うとガイマルさんだと思いますよ、私も」
「ウサギの言う通りだ。GJ創設時のメンバーは俺とガイマルで、ギルドハウスにもリーダー登録は必要なかったが、改めて考えてみると俺はリーダー向きの性格じゃないしな」
「ほう、やっぱりお前ら仲良いんだな。なんだか羨ましいくらいだぜ」というミハイルの言葉で3人の顔が一瞬赤くなった。
「あ、あー!そろそろダンジョンに着く頃ですよー!張り切っていきましょー!」
ウサギが変なテンションのまま、俺たちはダンジョンとなっている建物に入った。
「このダンジョンは全体的に魔物の数が多い。調べによると、1階層目は、オークの巣窟になってるらしいな」とガイマルは説明する。
「なるほど、そういう情報を仕入れるのもリーダーの仕事ってわけか。流石だな」とミハイルは納得している。
「よし、なら、全部は倒さずに襲ってくる魔物を倒していこうか」
「そうですね、ジュンペーさん。スタミナはボスに温存しておきたいですもんね」
全体的にレベルの高い俺たちは難なくボスの部屋にたどり着いた。
「グオオォォ!!」
「ギアアァァ!」
待っていたのは大型のボスオーク1体と多数の小型オークだった。
「ジュンペーはウサギの近くで彼女を護衛してくれ、あわよくばボスの元まで行くんだ。ミハイルは俺が盾で守るから、攻撃魔法と支援魔法で援護を頼む、俺たち2人は雑魚の掃討だ!」
ガイマルは瞬時に作戦を立て、的確な指示を出す。流石はリーダーだな。
「うおおぉぉ!かかって来い!」
雑魚エネミーの大半のヘイトはガイマルに向かっていた。俺とウサギは残りの雑魚オークを蹴散らし、ボスの元にたどり着く。
「はっ!ふっ!」
俺たちは連続攻撃を繰り出し、着実にボスにダメージを与えていく。動きの遅いオークには素早い動きの俺たちを捉えることは出来ない。やがて、、、
「グ、グオオォォ、、、」
断末魔を上げ、ボスオークは倒れた。気がつくと周辺にいた雑魚オークも全て片付いていた。
「2人とも、よくやってくれた!ミハイルもいい動きだったぞ!」とガイマルは全員を称賛する。
「お、そうか?へへ、まあな!」とミハイルも満更でもなさそうだった。
「よし、それじゃあ、次の階層に行こう。確か2階層目はスライムの巣になっていたはずだ。スライムとは言えど、油断せずに進もう。ミハイル、回復魔法を全員に頼めるか?」
「ああ、了解だ、ガイマル」
「いや、俺は大丈夫だ。ほぼ無傷だからな」と俺。
「私も大丈夫です。私たちの分までガイマルさんに回復魔法をかけてください」
「、、、確かに2人はほとんどノーダメージだな。よし、任せな!」
ミハイルはガイマルに回復魔法をかけていく。ものの数秒でガイマルの傷は癒えていった。
「、、、お前の魔法の腕はなかなかのものだな。どこで覚えてんだ?」というガイマルの言葉に、ミハイルは少しくぐもった声で
「独学だぞ、意外かもしれないけどな」と返した。
「独学!?すごいな、お前、、、」
「流石はジュンペーさんの旧知の友人ですね、、、」
俺たちは体力をほぼ残したまま、2階層目に進んだ。
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