第7話

ミハイルがGJに加入して数日後、俺はウサギと2人で装備の買い出しのため城下町を訪れていた。

「おお、お似合いのお二人さん、このペアアクセサリーはいかがかな?」

「え、ええ!?お似合い!?ジュ、ジュンペーさんにそんな恐れ多い、、、」

「ウサギ、断り方間違ってるぞ、、、」


俺は道中、ウサギに気になっていたことを尋ねてみた。

「なあ、ウサギ。お前、どこの出身なんだ?信頼はしてるんだ、ただ、何も言ってくれないと分からないからさ」

ウサギはGJへの加入の際は身元不明ではあったが、俺とガイマルは溢れ出る熱意に押され、仲間に招き入れた。

「、、、人気のない場所に行きましょう、、、」

俺たちは木の生い茂った人のいないポイントに移動した。

「私、実は皇族の生まれなんです。でも、ある日突然何者かの襲撃を受けたんです。何もない場所から現れるので、その人物の顔は確認できませんでした。犯人は愛する家族を皆殺しにしました。私は辛うじて兄様がかけてくれた加護のお陰で襲撃者に見つからずに済みました。でも、私だけ生き残ってしまったんです、私だけが、、、!」

語るウサギの目からはうっすらと涙が浮かんでいた。

「話してくれてありがとう、ウサギ。辛いことを思い出させてしまって済まないな」

「いえ、いつか話そうと思っていたことなので。いい機会をくれてありがとうございます。ちなみに犯人は未だに見つかってないんです。犯人は隠密力のマスターだという人もいましたね」

「マスターか。いずれにせよ力を持った人間がそんな凶行に及ぶなんてもってのほかだ」

「、、、私は家族が殺されてからは1人で生きていくために、色んな依頼をこなしながら素早さに磨きをかけてきました。そんな中、あなたたちに出会ったんです。きっとこれも運命だったに違いありません!」

ウサギの目からは涙が消え、希望の灯火が輝いていた。

「ああ、これからもよろしくな、ウサギ。さて、装備の買い出しに戻るか」

「はい!そうですね」

俺たちは街の武具店を覗いていた。

「おお、あなたはあの時、ラックソードを買っていかれた旦那じゃないですか!」

「お、そういうあんたは、、、久しぶり!よく俺のことを覚えてたな!」

「あっしは記憶力が良いんです!良ければそのラックソード、打ち直しましょうか?」

「ああ、是非頼む」

「そちらのお嬢さんの短剣も一緒にどうですかい?」

「え、私ですか?ジュンペーさんのお知り合いなら信用できますね。お願いします」

俺たちは武具屋の店主にラックソードと短剣を強化してもらった。

「あ、そうだ!旦那におすすめの一風変わったアクセサリーがあるんですよ!」

「どんなやつだ?」

「特殊な宝石を使ったオールインワンというネックレスです。効果は、、、分からないんですけど、きっと上物ですよ!今なら1000ゴールドでお譲りします!」

「うーん、、、」

俺は運がいい、ということはこれも何かの巡り合わせだろう。

「よし、それ、買った!」

その後もウサギと一緒に装備を見て回った。その合間、俺たちは昼食を取ることにした。

「ジュンペーさん、何か食べたいものはありますか?」

「うーむ、特に希望はないし、ウサギの好きなものでいいぞ」

「それじゃあ、あそこのクレープにしましょう!」

ウサギは意外と現代っ子なんだな。俺たちは2人、屋台のクレープを食べ歩きしていた。

「お、これ美味いな。ウサギも一口どうだ?」

「え!?そ、そんな、、、それじゃ、か、間接き、き、き、き、、、」

「?」

ウサギは真っ赤になってたじろいでいる。俺、何か悪いことでも言ってしまったか?

「な、なら、一口だけ、、、はむっ」

「どうだ?」

「、、、!美味しいです!じゃ、じゃあ、私のも、どうぞ、、、」

「いいのか?それなら遠慮なく、、、ぱくっ」

「、、、い、いかがですか?」

「うん、こっちも美味いぞ!ウサギ、店選びのセンスあるな!」

「そ、そうですか?えへへ、、、」

ウサギはへにゃっとなった顔でまんべんの笑みを浮かべた。

食後は軽くウィンドウショッピングをしながら腹ごなしをした。そして陽の落ちる頃にGJの小屋に戻るのだった。

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