第2話
樹海でのレベリングもある程度終わり、ここでのモンスターも俺のレベルには不釣り合いになってきた。そろそろ別の場所に進出しよう。俺は手製のモンスターステーキをたいらげ、次の戦地へ向かうための準備を進めることにした。
「お?お前、もしかして、ジュンペーか?」
「おお、そういうお前はあの時のタンクか?」
俺は街で、ギルドのお試し加入で顔見知りになっていたタンクと再会した。
「久しぶりだな、でも、俺のことは名前で、ガイマルと呼んでくれ」
「ああ、ガイマル。他の奴らは元気か?魔法使いとか、ヒーラーとか」
「うん、やっぱり気になるよな、、、実はあれから色々あって俺はギルドを追い出されちまったんだよ。ステータスを防御力にばっかり振っていたからかな。運が悪く、良くないことが続いてな、、、」とガイマルは悔しそうだった。
「そうか、、、大変だったんだな、、、」
「で、ジュンペーこそどうしたんだよ。ここは初心者向けの街だぞ?お前、かなり強かったじゃないか。レベルもカンストまで行ってただろう?」
「実はな、俺、不意打ちを食らって、一度死んだんだ。お前とは正反対で防御力は紙っぺらだったからな。んでもって、転生したんだ。これで2度目だな」
「へえ、それで、今度はどのステータスに振るんだ?俺と同じ防御力か?」
「、、、運だな」
「へ、、、運、、、?」とガイマルは驚いた表情を浮かべる。
「お?意外そうだな」
「いや、だってお前、防御力が低くて死んだんだろ?それなら、その反省を活かして、、、」
「ガイマル、よく考えてみろ。もし俺に運があれば、そもそもその通り魔的犯行の標的は俺にならなかったはずだ」
「、、、まあ、そうだな、、、」
ガイマルは少し考えたような素振りを見せた。そして、
「なあ、ジュンペー。俺と一緒にギルドを組まないか?」と提案してきた。
「お?どうした、急に、、、」
「お前と一緒ならいいことが起きそうだからな。それに1人だと何かと大変だろう?」
「いや、2度目の転生の前も1人でやってきたからなぁ、、、」
「それはお前が攻撃力に全振りして来たからだ。きっと、一緒にいた方が効率がいいはずだぞ?」
なるほど、理屈は通っている。俺は考え、結論を導き出した。
「ああ、一緒にやっていこうか!」
俺のその言葉にガイマルはとても嬉しそうな表情を浮かべた。
「よっしゃ!それじゃ、早速手続きを始めようか!」
俺たちはギルドを立ち上げるために、役所に赴いた。
「ギルドネームはどうなさいますか?」
「ギルドの名前か。どうする、ガイマル?」
「うーむ、、、それなら俺たちの名前の頭文字を取って『GJ』なんてどうだ?」
「うん、代案もこだわりもないし、それでいいぞ」
その日から俺とガイマルは同じギルドで活動することになった。
、、、よくよく考えてみると、この時ガイマルと再会したのは樹海で運上げに勤しんでいたからかも知れない。
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