第91話 みんなで打ち上げだ
「みんなよくやった。これで私の評価も上がるはず」
タマちゃんがあまりの嬉しさに笑いがこみあげている。その様子にみんなドン引きだ。
その様子に気付いたのか咳払いすると話を切り替えた。
「みんな疲れてるだろうからとりあえず気になってるであろうことを言っておく。見事一位になったことで二週間後にある校外学習の行き先を選べるわけだが、この話は週明けの月曜日にするから楽しみに待っておけ」
「「「ええええええええーっ!!!」」」
行く場所の候補地が聞けるのかとおもってたのに、出鼻をくじかれてみんな不満気だ。
「タマちゃん。もったいぶらずに今教えてよ」
「教えたいのはやまやまなんだが、実は私も分からないんだ。行事ごとは理事長が決めてるんだが、この手のイベントが好きでギリギリまで教えてくれないんだ。とりあえず月曜日にはわかるから待つしかないな」
「仕方ないか」
「確かに楽しみは後にとっておいた方がいいかも」
みんななんだかんだで納得したようだ。
「みんな納得したようだから次の話をする。学食の件だが、十月から一か月無料になる。だから間違っても今月に行くなよ」
「そんなー」
タマちゃんの言葉に一部の生徒がショックを受けている。
「今月金がピンチだからラッキーと思ってたのに」
「十月からってまだ二週間以上もあるんですけど~」
「どうにかならないんですか?」
そんな思いにタマちゃんは、
「そんなにすぐからがいいんなら、私から週明けの月曜から適用できるように頼んでもいいが、本当にいいのか」
早めて何か困ることがあっただろうか。みんながポカーンとした顔をしてると、
「お前たちもう忘れたのか。さっきも言ったように校外学習は二週間後に始まるわけだが当然二週間後ということは今月末だ。しかも三泊四日で月曜日からだから平日なわけだが、もし、週明けから適用したらこの校外学習に行っている間の四日間が無駄になると思うが本当にそれでいいのか」
「「「あっ」」」
みんな失念してたようだ。
「じゅ、十月からでいいです」
「問題ありません」
「タマちゃん、ナイス!」
タマちゃんが呆れたように言う。
「いまさらほめても何も出んぞ。まあいい。話はこれぐらいにして解散。土日で今週の疲れをしっかりとっておけよ」
そういうとタマちゃんは教室を後にした。
「みんな、せっかくだからこの後みんなでカラオケでも行って打ち上げでもしないか!」
「お、いいな」
「賛成!」
男子生徒の提案にみんな乗り気だ。
「明日香ちゃんも行くでしょ」
明日香の周りに女子生徒が集まってくる。
「あの、えっと・・・・・・」
人だかりに慣れてないのか戸惑っている。見た目はギャルみたいだから忘れがちになるけど根がまじめだからこんな風に遊んだことがないんだろうな。この前食べ歩きしたときも戸惑ってたし。
「今日の立役者がいないと意味がないからお願い!」
「翔琉君が行くなら・・・・・・」
その言葉で明日香に群がってた人たちが一斉に僕の方を見る。
「星宮君、どう」
「明日香ちゃんの生歌聞きたいよね」
圧がすごくて思わず「いいよ」と返事してしまった。正直明日香の生歌は前に二人でカラオケに行ったときに聞いたけどそんなこといちいち言う必要あるまい。
「明日香が行くなら私も行くわ。一樹はどうする」
「そうだな。部活もないし参加するよ」
「カケルが行くなら私も行く。それにカラオケって気になってたのよね」
加奈、一樹、アリスも参加が決定した。
結局、クラスの大半が参加することになったので結構の大所帯になった。
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