第42話 海ほたるで腹ごしらえ

 お昼を回ったところで僕達はアクアラインの途中にある海ほたるPAに寄ることにした。海ほたるは一階から五階までありフードコートはもちろん農産物直売所、ゲームセンターに足湯までもある。しかも五階には景色を三百六十度見渡せる展望デッキがある。どうやら複合施設になってるらしい。これは誘惑されて木更津に行くのが遅れるかもしれない。現に・・・・・・


「ひより、後でゲーセンでUFOキャッチャーやんない」

「うんやろう」


 葉月がゲーセンにひよりちゃんを誘ったと思えば、


「私は足湯に入ってみたい」

「いいわね。私も運転で疲れたし入ろうかな」


 明日香と明美さんは足湯に心奪われている。


 そんな中、僕のお腹が盛大になった。


「とりあえず、翔琉が限界みたいだから先に昼食とらない」


母さんの言葉にみんな頷いて僕のことをニヤニヤして見てくる。恥ずかしくて仕方がなかった。いつもはこんなにお腹が鳴ることはないのにどうして今回に限って鳴り響くんだろう。明日香に食いしん坊だと思われてないといいんだけど。僕は明日香にどう思われたかと思うと聞くに聞けなかった。



 レストランもいろいろあるがみんなが食べたいものを食べた方がいいという意見でいろんなジャンルがある五階のフードコートに向かった。

 フードコート内は夏休みと言うだけあって大変混みあっていた。

 取り敢えず、空いてる席を確保すると交代で食べ物を買いに行った。

 僕は、海ほたるゴーゴーカレーにあるとろ~り炙りチーズカレー、明日香と葉月は蕎麦 港屋にあるあさりそば、加奈は同じ店にある甘エビと野菜 かき揚げうどん、ひよりちゃんはち~ば丼にある漁師丼、一樹は炙亭 とんぎゅうにあるとんぎゅう丼、そして母さんと明美さんはあさりや cafeにあるあさりまんをそれぞれ注文した。

 僕は、海ほたるって名前からここの名物だと思って注文したが、実はゴーゴーカレーだということに今更気付いた。だけどゴーゴーカレーが初めてだというのもあってかカレーにあぶってるチーズも合わさってとてもうまくて大変満足することができた。腹が膨れてみんなが食い終わったタイミングをみはらかって明美さんが時計を見て言った。


「今、十二時五十六分だから二時まで自由時間にしようか。みんなもせっかくだから色々見たいところあるでしょう」

『賛成!!』


 明美さんの提案に誰も反対しなかった。


「ひより、ゲーセン行こう!」

「そうだね」


 席を立ってゲーセンに向かう二人に、


「集合場所は直接車のところねー!!!」

「わかったー!」


 明美さんの言葉にひよりちゃんの元気な声が返ってきた。


「お母さんと秋穂さん、足湯に入りに行きましょう」

「いいけど、明日香。翔琉君と一緒じゃなくていいの?」

「そうよね。二人の邪魔をするのもね~」


 明日香の誘いに母さんたちが遠慮がちに僕を見てくる。


「僕のことは気にしなくていいよ。色々見て見たいし、時間あったら足湯にも行くから女水入らずで楽しんできてよ」

「ほら、翔琉君もそう言ってるし」


 明日香のテンションがいつもより高い気がする。そんなに足湯に入りたかったのかな。


「じゃぁ行きましょうか」


 明日香たちは足湯に向かう。そして、周りを見渡すといつの間にか一樹と加奈もいなくなっていてこの場には僕一人だった。たまにはいいかと一人を満喫することにした。

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