第3話 嵐の前触れ
僕達はあれから橘さんを見かけることなく高校の最寄り駅のさいたま新都心駅に着いた。
「それにしてもあれから橘さん見かけなかったけどどうして大宮駅に着くなり走り出したんだろう?」
「それはお前と目が合って恥ずかしくなったからじゃないか。これは期待できるかもな」
一樹が軽い調子で言ってくる。
「まさか~、それはないよ。今まで挨拶ぐらいでまともに話したことないのに」
「それは一目ぼれでもしたんじゃないか。それに俺から見ても
そうこうしているうちに僕たちが通う桜が丘高校についた。名前の由来は毎年綺麗な桜が咲き、駅からの通学路が桜のアーチをくぐる感じからきてるそうだ。この場所は駅の西口からけやき広場を抜けたところに建てられた高校で文武両道だ。毎年東大に行く生徒を輩出したりプロスポーツ選手が出たりして最近世間が注目してたりする。だけど勉強が厳しかったり部活がしんどかったりするわけではない。一応進学する人のため特進コースがあったり、スポーツ化という学科もあるが比較的自由だ。特進コースの学生は最初から東大を狙おうと思っていない。この高校に入ってから成績が上がり試しに受けてみたら合格した人が出てきたらしい。しかも誰も塾に通うことなく授業を受けただけで合格したというんだから。注目浴びて当然だと言える。そして、スポーツもそれぞれの部活が勝ち負けにこだわることなく楽しんでやってるうちに気付いたらいい成績を収めているのだ。これはのびのびやってたらいい結果がついてきたのだろう。そりゃ、ミスしたりしてそれを周りからガミガミ言われたら実力以上のものは出ないし、ちじこまって同じミスを誘発したりするだろう。僕でも分かる。高校の校風は人生楽しまないと損ということからいい結果につながったんだろう。ちなみに僕達は普通科だから他の学科に関わることはあまりないだろう。
そして、正門をくぐり昇降口で靴を履き替えようとしたときに事件は起こる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます