第7章 選択

どこかから―――

 長い瞑想の果てに、ある程度の景色を見終えて一息。



「なんか、向こうは大変なことになってるみたいだね。」



 ぽつりと少年が呟くと、少年と同じようにこことは違う景色へと意識を向けていた彼は、くすりと笑った。



「そうだね。だが、もしここであの忌々しい剣が消えるなら好都合だ。一応、今のうちに畳み掛けておきなさい。ユアンが大きな動きを見せない辺り、これは徒労に終わるかもしれないけども。……まあ、私たちの存在をにおわせるだけでも、彼にとっては十分脅威になるだろう。」



「分かった。」



 指示を受け、少年は地面からぴょんと立ち上がる。



「ああ、そうだ。」



 彼は、少年を呼び止める。



「最近、ちょっと面白い人間を見つけてね。役に立ってくれそうだから、今度会いに行ってきなさい。途中からは、私が変わろう。」



「分かった。」



 これにも少年は、すぐに首を縦に振る。



「ふふ、いい子だ。」



 彼は、くすくすと笑い声をあげる。



 さあ、まだ第二の舞台の幕は上がったばかり。

 とっておきの悪夢を見せてあげようではないか。





 もう二度と、立ち上がれないように―――




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