第7話:あなたと一緒におうちへ帰る
(SE)カギを開ける音
(SE)玄関ドアを開ける音
モモ「真っ暗! 」
(SE)照明スイッチを入れる音
モモ「明るくなった!
そのスイッチすごいよね。
付けるといつでも、
部屋が太陽でいっぱいになる! 」
---
(SE)包丁を使う音
モモ「冷蔵庫は空っぽだったのに、
まぁまぁいっぱい材料買ってきたよね。
どの段にも食べ物や飲み物が詰まってる! 」
モモ「メイが選ぶ材料はカズマと違うんだよねー。
お肉が少なくてお野菜ばっかり!
カズマはお肉が大好きなんだよー。
お野菜あんまり食べないの、知ってた? 」
モモ「『カズマは野菜を食べなさすぎる』だって。
知ってたのか。
あたしだけが知ってることかと思ってたのになー」
モモ「メイってば、
いちいちカズマのポイント押さえててむかつく! 」
モモ「カズマはお肉が好きで、
メイの作るご飯より濃い目の味付けが好きー」
モモ「メイがおうちに来るときは、
ご飯はぜんぶメイが作るんだよね。
メイのおみそ汁は、カズマのおみそ汁より薄いー! 」
モモ「で、それってけっこう、やさしい味。
まぁその……、メイの味付けも好きだよ。
……もう、何を言わすのよ!! 」
---
(SE)食器を並べる音
モモ「おみそ汁、美味しい。
この味はメイが来ないと食べられないんだよね。
だからほら……、
たまには来ても、いいんだからね! 」
モモ「カズマ達のご飯は何かな?
サラダに、ご飯に、おみそ汁……、
それと肉じゃがかぁ! 」
モモ「あー、だからジャガイモやニンジンを
選んでいたんだね。
あと、タマネギ」
モモ「肉じゃがになってもタマネギの良さは
分かんないな~。
あれ、入れないほうが美味しいんじゃない? 」
モモ「でも、カズマは『美味しい美味しい』って
蕩けそうな顔で言ってる。
いいみたいだね。
美味しくって良かったね、カズマ。
美味しいって言われてよかったね、メイ」
モモ「……。まぁ、あれだよね。
カズマのおうちに居るときの二人は、
くっつきすぎなんだよね」
モモ「あたしはオトナだから、
二人が一緒に居るときは
早めにケージに戻ってあげるの」
モモ「気遣いってやつ。ごゆっくり」
モモ「外でもねー、それくらいくっ付けばいいと思うの。
なんでくっ付かないんだろ。
ニンゲンって、外ではお洋服も着るし、不思議。
毛皮が無いからかな? 」
モモ「まぁ、夜のベッドでは今よりもっと
くっ付くけどね。あたしは知ってる」
モモ「でもって。
ベッドの中でカズマはメイを泣かせるの」
モモ「あれは良くないと思う。
ごめんとか、愛してるとか言ってるけど。
メイ泣いてるんだからね」
モモ「ごめんって何?
よく分かんない!! 」
モモ「でも、いつも似たようなやりとりしてるから、
メイも嫌じゃないのかな? 」
モモ「まぁ、とにかく。
カズマはもっと、
夜もメイを大事にしたほうがいい」
モモ「って、オトナなあたしは思います!
メイにももっと笑っててほしい、
あたしからのアドバイス」
---
(SE)遠くで電車の通る音
モモ「夜も更けると、電車の音がかすかに聞こえてくる。
もう遅い時間なんだろうな」
モモ「明日も、朝起きればカズマとメイが居る。
それってとーっても素敵なこと。
明日は二人と、何をして遊ぼうかな? 」
モモ「メイはまぁ、あたしのきもちいポイントを
よく分かってるし、
撫でるの超うまいし、ニンゲンとして
なかなかのスキルを持ってると思うのよね」
モモ「またたびあげてもいいくらいのスキルと思うの!
ルナはちゅーるっていうご飯が最強って言ってた。
そっちをあげてもいいのかもしれない! 」
モモ「それよりもやっぱり、
メイが居るとカズマがとっても良い表情になるのが、
いいよね。
撫でるのうまいよりももっと、いいスキルだと思う」
モモ「カズマのいい顔が見られるのは、
メイのおかげかもしれない。くやしーけど」
モモ「だからカズマ、あんまりメイを泣かすのは、
いくらカズマでも許さないんだからね」
モモ「あたし、カズマもメイも大好き。
ちゃんといい番になって、幸せになってよね」
モモ「また明日、楽しいことがあるといいな。
おやすみなさい」
あなたを独り占めしたいカノジョ ろさこ @rosadablue
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