第5話:あなたと一緒におそとでデート
(SE)車の通る音
(SE)ブランコの揺れる音
(SE)鳥の鳴き声
モモ「ふー……。
外は色んな音でいっぱいだね。
色んな音があって、
おうちよりも風が吹いて爽やかで」
モモ「ねぇねぇ、日差しが気持ちいいよ。
カズマ、二人で一緒にお昼寝しようよ」
モモ「ま。しないよね。
だって今日、メイが居るもんね」
モモ「せっかく久々に公園に来たのに~~~!!
二人っきりが良かったよ。
カズマにはあたしが居るんだから、
別にメイは来なくていいんだよーだ! 」
モモ「メイは普段、カズマのおうちに居ないじゃない?
いつもおうちに居るあたしの勝ちなんだから! 」
モモ「カズマのおうちにいつも居るとねぇ、
カズマのご飯が食べられるんだから!
食べたことないでしょ、メイ!! 」
モモ「メイが来るときはいつも
カズマは冷蔵庫を空っぽにして、
ぜーったい自分でお料理しないんだから! 」
モモ「……メイの手料理が食べたいとか言ってさ」
モモ「カズマのお料理美味しいのに、
メイのお料理のほうがいいんだって!
なんでなんで?? 」
---
(SE)噴水の音
モモ「あっちに水がいっぱいあるのか。
行きたくないなー。
水がいっぱいあるとこ、大っ嫌いなの」
モモ「あ。シート出した。
この木陰で休むのね。
良かった、水のとこ行かなくて」
---
(SE)缶ビールを開ける音
モモ「ご飯がいっぱい並んでる。
お外のご飯はカズマの手作りご飯じゃないんだよね。
カズマのご飯、とーっても美味しいから、
カズマのご飯が食べたいのになぁ」
モモ「なあに? メイ。
あたしを撫でたいの?
ソワソワしちゃって、ばかみたい! 」
モモ「あたしの自慢の背中からしっぽを撫でたいの?
どーしよっかなぁ?
まぁ……別にいいけど。
メイはトクベツなんだから、名誉に思いなさいよね! 」
モモ「あ……っ、あっ……。
しっぽの付け根をそんな風に撫でられると……、あぅ、
声が出ちゃうよ……っ。やぁだぁ……」
モモ「え? カズマってば。
『モモが気持ちよさそう』って!!
そ、そんなんじゃ、ないんだからね!
こんなの気持ちよくなんか……。
ん……っ! んぅ……」
モモ「あ、あぁ……。
ダメダメ、そんなことしたら……、
足がピンってしちゃう……! 」
モモ「メイ! もう、ここばっか触って!!
変な気持ちになっちゃうじゃん! 」
モモ「でも、きもちいから……、
もっとして……? 」
---
(SE)カラスの鳴き声
モモ「んー、あたしとしたことが。
メイにされるがままになっちゃった」
モモ「メイにはカズマの番の心構えを
教えてやりたいのに。
むかむかしちゃう」
モモ「そうだよ。番。
なんだかんだいって、
あたしはメイを認めてるのよ、実は」
モモ「くやしーけど、カズマはメイと居ると
とってもいい表情をする。
それはあたしじゃ引き出せない表情」
モモ「メイが居てカズマのこの表情が見られるなら、
メイもなかなかやるじゃん! って思う」
モモ「あと、撫でるのうまくてきもちいの。
思わず声が出ちゃうくらい。
足がピンってなっちゃうくらい」
モモ「メイが居るとね、
時間があっという間に流れる。
カズマもずっと嬉しそう。
だから、仕方がないからカズマの傍にいるの、
許してあげようかなって」
モモ「いやいや違う!!
メイが居ると便利なの!!
それだけなんだから!!!! 」
モモ「今日はメイ、
あたしと一緒にカズマのおうちに帰るらしいよ。
帰って何するんだろ。
まぁいつもどおりくっ付きっ放しなんだろうけど」
モモ「寝るまでずっと、二人のこと見てるからね」
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