第12話 モデルチェンジ
深夜。
気がつくと星が輝く空間の中にいた。周囲も上も下も星が輝いている。
宇宙空間のような場所にプカプカと自分が浮かんでいた。
遠くにはいくつもの流れ星が次々に現れ飛んでいく。
「・・・部屋で寝ていたはずだよな・・・ここは一体どこだ・・・」
周囲を改めて見渡すが、漆黒の空間に無数の星々が輝いているだけだった。
しばらくすると目の前に3つの光の玉が現れた。
1つはへびつかい座の精霊アクレピウスに変わり。
1つは乙女座の精霊スピカに変わった。
もう一つは、???ロボ・・?
「・・・あの〜あなたはいったい・・」
「フフフフ・・我こそは大元帥明王ニューバージョンの姿なり!」
「・・・・・」
筋骨隆々たる鋼のような肉体だったはずが、どっからどう見ても鋼の体になっている。
肉体ではなく、鋼だ!鋼の体なんだ。
メタリックな輝きを放つ鋼鉄の体。
輝きを放つ漆黒のボディに赤と黄色のラインが刻まれている。
さらに、背中にはシルバーに輝く金属製の巨大な羽根が1対。
本来、大元帥明王の体に巻きついていて、敵を威嚇する2匹の大蛇は、体に巻き付かずに左右に控えている・・・
その大蛇もすでに大蛇の姿では無い。
鋼鉄の体と1対の羽を持ち、全身からメタリックシルバーの輝きを放ち、シルバーメタリックドラゴン???の如き姿をして左右に控えてこちらに向いているジッと見つめてくる。
何か言って欲しいのか?
でも、あえて触れずにスルーすることにする。
さらに問題なのは6本の腕が持つ武器だ。
宝剣、宝棒、鉞斧は変わりなく持ってる。
変わりなくと言っていいのか、とりあえずそれと認識できるが、大きく変わっている。
宝剣は白く輝き冷気を発しているように感じられる。
鉞斧は、刃の部分から高温の熱気を放っているようだ。
宝棒は、淡く七色に輝いている。
形は似た形だからとりあえずいいだろう。
本当はよくないが、突っ込みを入れるには、もうお腹がいっぱいいっぱい。
それよりも大問題なのが3つもある。
一つは、あれはどう見てもライフル。
もう一つは、どう見てもバズーカ砲。
最後の一つは、今までは何も持たず忿怒印を結んでいた手そのもが変わっている。
あれを手と言っていいのか?
指が刃物になっている。
5本の刃物が手に付いているというか、生えていると言っていいのか、とにかく恐ろしく切れそうな刃物が5本光っている。
あの手で撫でられたら体はバラバラになるな、間違いなく!
一体何と戦うつもりなんだ!
「フフフフ・・・どうやらこの霊子ビームライフルと霊子バズーカが気になるようだな!せっかくだ、威力を見せてやろう」
遠くに浮かんでいる小惑星に向かい狙いを定めるとビームライフルの引き金を引く。
発射された一筋の光が小惑星を貫き、小惑星は爆発四散する。
「・・・・・」
今度は別の小惑星に霊子バズーカで狙いを定めて引き金を引く。
光の球体が発射され、光の尾を引きながら飛んで行き小惑星に命中。
小惑星は爆発音を響かせ粉々に吹き飛んだ。
「どうだ!なかなかの威力であろう!」
なかなかなんて生やさしいレベルじゃないですよ。
「威力の調整も自由自在。物理的な破壊力を無くし、悪しきものだけを滅するようにすることも可能だ」
「・・・威力が凄すぎます。なんでまた・・・」
「ウム・・1200年ぶりの世界は大きく変わっている。世界が変わっていくなら私も変わらなくてならない。現代で言う車のモデルチェンジと同じだと思ってくれ!」
「・・・モデルチェンジ・・・」
「世界が変わっていくように、我々も変わる。世界の変化の一歩先に向かい我々も進化していくのだ。いつでも、以前の姿で出るこのも可能だがな!」
「進化ですか・・・」
「そうだ!お前も新しい時代の先駆けとなれ・・・」
良宣の意識は、眠りへと戻っていった。
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