第11 話 家族会議II

人面呪の件を片づけ、山森神社に戻ってきた。

式神を三体も使ったため、かなり疲れていて帰りの車中は完全に寝ていた。

車を降りたらすぐに車から離れて出かけようとしたら、婆ちゃんに肩を掴まれた。

「良宣どこに行く」

「いや、チョット用を思い出して・・・」

「これから、良宣と話し合う必要がある。わかるよね」

目力が怖いです。

「・・ハィ・・・」

逃げないように前後を婆ちゃんと田中さんに挟まれ奥の部屋へとドナドナされていく。

式神に助けを求めたが『ガンバッテクダサイ』と一言で音信不通状態。

どのみち霊力を消耗しているからすぐ呼ぶことは出来ないけど。

部屋に入ると父さんと母さんが待っていた。

どうやら連絡済みのようだ。

ソファーに座ると、

「良宣、道摩家で大活躍だったそうじゃないか父さんは嬉しいぞ!」

父さんが目を見開き

「その新しい力で父さんと練習試合をやろう」

暑苦しい視線を向けてくる。

「あなた!母である私が先に決まっているでしょ!」

その時、部屋のドアがおもいっきり開かれた。

「その役目は、わし以外には有り得んじゃろう!!!」

爺ちゃん乱入。

「あんた達、うるさい!!!!!黙ってなさい!!!!!」

婆ちゃんキレました。

爺ちゃんを指差し

「ハウス!!!」

「・・・いや、それは・・・」

「なら、そこで正座してなさい」

部屋の入り口横を指差す

「・・・・・」

「正座」

「・・・・・」

「正座です」

「・・・ハイ・・」

すぐさま背筋を伸ばして正座をする。

そこには、普段見せる玖珂家当主たる威厳は1ミリもなかった。1ミリもだ。

婆ちゃんの叱責を嬉々として受け入れる姿があった。

陰陽師界随一の武闘派はどこに行った?



早速婆ちゃんが聞いてきた。

「良宣、道摩家で使用した新たな式神は一体なんだい。しかも1体は神仏だよね。式神契約の呪符は渡していないし、作成を教えてもいないどうやって契約した」

「それはアクレピウスを介して、向こうから召喚契約のための符呪陣を送ってきたんだよ」

本当は、陣を使用しない精霊との直接契約なんだけど、これは言えないよな。と言うか言うわけにはいかない。

「そういえば、他のも契約を望んでいる精霊がいるといってたね。かなりの高位精霊たちが向こうから望んでくるとは・・・」

「それは本当にすごいのよ、こちらがどんな望んでも向こうから無視されるのがオチなのに、今すぐにここに呼んでお母さんに見せてよ。お婆ちゃんだけなんてずるいわよ。呼んで、呼んで、ネッ!お願い呼んで頂戴!!!呼んで!!!」

「少し黙ってなさい。話が進まないだろう。あんた達、脳筋もほどほどにしなさい」

母さんに発言に少し疲れたように婆ちゃんが言った。

「今はかなり疲れているから呼べないよ」

「呼ばなくていい。今呼ぶと、脳筋どもの収拾がつかなくなる」

疲労の表情を浮かべている婆ちゃん。

「乙女座の精霊スピカは、アクレピウス経由でまだ理解できるが、大元帥明王はどうゆうことだい?」

「よく分からないけど、どうやら、前世で熱心に信仰していたらしくて、その縁で顕現したらしいよ」

間違ってはいないよな。前世の記憶があるとまでは言えないけど。

「想定外すぎて理解が追いつかん。まだ何か隠してないかい?」

「・・将来的にまだ増えるみたいだよ。向こうもこちらの霊力量の伸びに合わせてくれているらしいから、急激のどんどん増えないと思うけど・・・」

「良宣のそこは当てにならん。きっと、私らが知らんうちにとんでもない数の式神を従えている可能性がありすぎて、もう・・どう言っていいのかわからん」

「・・・・・」

その可能性があり得るから何もいえない。

「とりあえず、今日はもう休みなさい」

良宣は自分の部屋で休むことにした。

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