15. 送り迎え専用ドライバー
それでは、お言葉に甘え、て……?
僕はスマホを取り出し、チャットアプリを開いた。
––––––––〜☆〜––––––––
『今日麗野の家に遊びに行くけど大丈夫そ?』
少し経ってからポコンッとチャットアプリ専用のイラストが送られて来た。『おけまる〜』と今人気のYouTuberのキャラクターが頭の上に両腕で○を作っているイラスト。
『全然OK。てか逆に今日収録だから家空けといて欲しかったし、ありがたい。』
俺は邪魔と言われたようで多少イラつきはしたが、許可は取れたからよしとするか。
––––––––〜☆〜––––––––
「OKだって〜。」
「やったぁ!」
子供ながらの無邪気な可愛い笑顔に癒されながら、最寄駅に着く。大掛かりな連絡さえしたが、実を言えば、最寄駅は同じ。もっと言えばバス停も二個違い。しかし、麗野の家は毎日送り迎えがある為、いつも駅で手を振ることになる。
「お、もう来てる。」
改札をいち早く出た麗野がそう告げる。薄々気づいている人もいるかもしれないが、麗野の家はめちゃめちゃ金持ちだ。送り迎えも専属のドライバーがしている。
「さぁさ、お乗りくださいまし!ウミお嬢様!」
麗野が裏声を使ってお嬢様口調でふざけた。ノッて返そうかと思ったが、その考えは車内に足を踏み込んだ瞬間に忘れてしまった。
「えっ!?わー!すっご……。」
「反応新鮮〜。」
「いつも乗って良いって言ってるんだけどなぁ。」
外見からの想像で、タクシーのような感じかと勝手に思っていたが、実際はタクシーよりも一回り、二回り程広く、足が十分に伸ばせる程の大きさだった。足元には本などの持ち物を置ける場所があり、ドリンク置き場も充実している。
「すげぇ……。」
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