12. 作戦会議……?

「何?初恋?」


僕はニヤニヤしながら麗野に問いかけた。


「うるせー!気持ち悪い!あっちいけ!」

「電車の中では静かにね?リオ君☆」


ハッとした顔で慌てて口を押さえて周りを見渡す麗野。僕はそれをさも面白そうに眺める。


「ぐぬぬ……。」


こちらを直らない真っ赤な顔で睨んでくる麗野の頭をぽんぽんと下から撫でる。


「んなっ!?」

「はーい、よしよし。」


屈辱すぎる、と悔しそうに漏らして麗野は僕から顔を背けた。僕は笑顔を顔に貼り付けたまま、限界オタクと化していた。


あーー。イケメンだなあーーー。


「で?どうするんだよ。」


唐突に麗野の眉目秀麗な顔がこちらに向き直る。


「え?」


急な話の展開に僕はついていけていない。


「響。助けないの?」


麗野は僕の目を見てそう告げた。


「そっちこそ。日野、助けてやらねーの?」


ゆっくりと嘲笑うようにウミは言った。この時の僕の表情を麗野は後にこう語っっている。『閻魔が罪の重さと命を天秤にかけて、ほくそ笑んでいる顔』……と。


「ん?」


麗野は一瞬驚いたような表情をすると、優しげな笑みを浮かべて答えた。


「あぁ。そうだな。助けてやらないと。」


やっぱり麗野って彼女の事好きなんだな。そんな顔、見た事ない。


「と、いうかウミって……結構、ドSだよな。」

「はぁ?」

「結構、いや……かなり?」

「んな事ないでしょ。」

「初対面の時はあんなに大人しかったのに〜。」


そう言いながらくねくねと体を揺らす麗野の横に茶色のランドセルを背負った少年が身を寄せた。


「よっ。」

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