コールドスリープによって遠い未来に目覚めた主人公が活躍していく物語。序盤、会話の相手であるユリスが登場するまで主人公スミタマの視点が淡々と続く。テンポの良い会話や台詞回しに彩られた昨今のライトノベルに慣れ親しんだ読者は下手をすると敬遠しがちだが、主人公の視点を写し取った地の文は不思議と読み心地が良く、読書本来の文字を追う楽しみを思い出させてくれる。控えめに言ってかなりの秀作。
一見お堅そうな文体ですが、読み進めるのが苦にならず、先を!先を!と読み続けてしまいました。世界観にも深みがあり、良い意味で独特…ぜひ読んでみて下さい。