第3話 探索者「杉谷 晴彦」の導入

海風が、ふわりと吹いた

森が、ザワリと嘶いた

そして、太陽がこの町を明るく照らす

ここは、アラハバキ。様々な人間が集い、交わり、去っていく

コスプレイヤー、芸能人、サラリーマン、学生

いつも通り、街には活気があふれている

しかし、それは人間だけに限ったことではない

人間とは相容れない、おぞましく醜悪な者達もまた、この地に集うのだ

カッチリと嚙み合った歯車。それらは自然に回り出す

貴方達という3つの歯車によって、物語は動き出す

さあ、始めよう。この物語は「君」という歯車を以て廻り始めるのだから


――――「とある者の独白」より




KP  杉谷晴彦すぎやはるひこアラハバキに住むエンジニアだ。それなりに名

   前を馳せている。貴方の大切な人であり娘の杉谷朱里は原因不明の病で賽ヶ丘

   病院に入院している。貴方は今日も、彼女の為にそんな病院へと向かっている


杉谷 「…朱里……」


KP  貴方は彼女の病室に向かう。中に入れば、いつもと変わらない様子の朱里が

   いることだろう


杉谷 「朱里…体調はどうだ?」


朱里 「あ、お父さん。私は元気だよー」


杉谷 「…そうか……本当にきつい時は、すぐにお医者さんに言うんだぞ?お前はお

   母さんとにてかなり我慢する子だから…」


朱里 「もう…お父さんは心配性だなぁ…。でも、ほんとに今日は大丈夫だよ。今日

   は具合良いから」


杉谷 「…そうか……ならいいんだが……」


KP  そんなことを話していれば、ガラガラと扉が開く音が聞こえ、彼女の担当医

   が入ってくる


医師 「…あら、杉谷さん。今日も来てくれたんですね」


杉谷 「あぁ、先生。いつもお世話になっております」


医師 「実は…そのお話があるので一緒に来てくれませんか?」


杉谷 「わかりました。…それじゃあ朱里、ちょっと行ってくるな」


彼はそういうと自分の娘の頭をなでる。彼女は少し顔を赤らめながらも笑顔で答える


朱里 「うん、いってらっしゃい」


KP  そうして、あなたは別室へと向かう。別室に行くと医師は貴方に申し訳なさ

   そうな顔で話し始めます


医師 「すみません…彼女の容体はまだ全然で…。うちの病院じゃ何もわからなく

   て…」


杉谷 「そんな…あの子は私にとって残されたたった一人の娘なんです!!お願いし

   ます…先生……お金ならどんだけでも出します…海外の技術が必要なら取り寄

   せます…だから……」


医師 「…実はそのことでなんですが」


杉谷 「?」


医師 「杉谷さん、AELDAという組織…まあ知っているとは思いますが。実はそこ

   に努める医療班の一人が私の大学時代の知り合いでして、コンタクトが取れた

   んです」


杉谷 「AELDAって確か宇宙人の対策のために作られたはずでは…?」


医師 「そうなんですが…でも、もしかしたら…最先端技術を誇るあの組織なら娘さ

   んの容態も何とかなるかもしれません」


杉谷 「本当ですか!…ありがとうございます先生…ちなみに、そのお知り合いの方

   っていうのは…」


医師 「薬井という方です。こちらで話は通しておくので、今からAELDA本社に来

   て説明を聞いてほしいとのことです」


杉谷 「わかりました…すぐに向かいますと伝えていただいてもよろしいですか?」


医師 「ええ、わかりました。それでは…お大事にどうぞ」


杉谷 「はい…娘をよろしくお願いします…」


KP  では、向かうという事で?


杉谷 はい、向かいます


KP  では、あなたはAELDA本社へと向かいます。


KP  指定された住所は、8階建てのビルだ。中に入り受付をすませば、3階の医療

   研究班という場所に案内される。部屋の中に入れば、映画のように壁に無数の

   モニターが付けられ、様々な映像が映る。そんな中あなたは会議室へと通され

   るだろう


KP  会議室で、しばらく待っていれば一人の男性が入ってくる。口元にインカム

   を付けた40代ほどの男性だ。分厚いサングラスをかけ、赤い軍服を着ている


男  「…ああ、始めまして。私はここの所長をしている深山と言うものだ」


杉谷 「は、始めまして…わ、私は杉谷と、申します…」


深山 「そう緊張しなくてもいい。サングラスをかけているせいか?申し訳ないが弱

   視なのでね…さて、話は聞いている。是非うちで治療しようじゃないか」


杉谷 「しかし、あの病院では原因もわからない奇病だって言われて賽をなげられた

   んです。一体あの病気は何なのでしょうか…」


深山 「それは調べてみないとわからない。だがな、うちは生憎慈善機関ではない。

   それ相応の金額を払ってもらおう…そうだな。1億だ」


杉谷 「い、一億…ですか……」


深山  「まぁ、すぐには出せんだろうな。だから君にはうちで働いてもらおうと思

   う」


杉谷 「というと?」


深山  「聞いているぞ。エンジニアとして素晴らしい腕を持っているそうじゃない

   か」


杉谷 「…ま、まぁ、それなりには…」


深山 「安心しろ。うちは日給100万で回している。半年もしないで払い終えるさ」


杉谷 「日給100万…!?具体的に、どのような仕事を」


深山 「はは、君は命を張って仕事をして1万で良いというのかね?それはそれで助

   かるが。まあ…そうだな。君にはうちの兵器のメンテナンスを頼みたい」


杉谷 「兵器・・・もしかして、対宇宙人用の…ですか…」


深山 「…それ以上はこの取引を受けなきゃ話せないな」


深山 「さて、どうする?このまま娘が弱っていくのを見届けるか?それとも、うち

   へくるか?」


杉谷 「………ここで、働きます。いや、働かせてください…娘を…朱里を、助けて

   ください……」


深山 「決まりだ。今日からよろしく頼むよ」


深山は不敵な笑みを浮かべていた。


深山  「…さて、おい、薬井!」


KP  そう彼が呼べば、しばらくすると部屋に女性が入ってくる


薬井 「失礼します。所長、お呼びでしょうか」


深山 「今からここに言って杉谷朱里という娘を連れて来い。容態によってはお前の

   医務室でしばらく面倒を見てやってくれ」


薬井 「………ふむ、なるほど。わかりました」


薬井 「それでは失礼します」


深山 「任せたぞ」


深山 「……と、さて。まずはこのアイーダについての説明を────」


KP  突然、扉がバンッと開き、一人の職員が入ってくる


深山 「おい!今は来客中だぞ!」


職員 「すみません所長。ですが問題が発生して…」


深山 「…問題?なんだ?」


職員 「商店街にて宇宙人が目撃されたとのことです」


深山 「それがどうした。近くにいるマリオネットを向かわせればいいだろう」


職員 「いえ…その。実はコードネーム《ジャンク》が対応中なのですが…」


深山 「…24番が?あいつは破棄を……ああ、クソ。穂村の奴、情報漏洩もいい所じ

   ゃないか」


深山 「…ああ、わかった。今すぐ向かうと伝えろ」


深山 「…さて、杉谷、どうやら君の初仕事のようだ。君は先に向かって対応してく

   れ。私は準備をしてから行く。…まぁ、そうだな、まあ24番でも軽い戦闘は

   こなせるはずだ。安心して向かってくれ」


杉谷 「…よ、よくわかりませんがわかりました」


KP  それでは、あなたは彼の指示に従い向かうことになるだろう。杉谷さんは指

   定された路地裏に来ていた。だが、その宇宙人とやらは見つからない。しか

   し、向こうから走ってくる2人組が見えるだろう。皇さんと遠縁さんだ


遠縁 「はぁ はぁ こっちだよなぁ 後輩くん!」のダッシュ中


皇  「確かこっちだったと思う!」


杉谷 「おや、遠縁さんに皇さんじゃないですか…ってそんな急いで君たちはどこ

   に?」


KP  そんな杉谷さんを置いて二人は走り去っていきますね。追いかけますか?


杉谷 追いかけます


KP それでは追いつきます


皇  「晴彦先生だ!久しぶりですね!はぁ はぁ」


遠縁 「って 杉谷講師? どうしてここに」


杉谷 「こんなに急いでどうしたんだい?」


遠縁 「色々ありまして あ 女の子見かけませんでしたか?」


皇  「ある少女を追いかけていて」


杉谷 「女の子…?いや、それらしい子はみてないが…」


遠縁 「なるほど・・とりあえず こちらは女の子を探してまして 杉谷講師はなに

   を求めてここに?」


杉谷 「ッ!そうだ。君たち、早くここから離れたほうがいい。ここはもうじき危険

   になるかもしれない」


遠縁 「ん?それはどういうことです?」


皇  「危険になるなら早くあの子を見つけ出さないと!」


KP  では、全員聞き耳どうぞ


《皇  : CCB<=45 【聞き耳】 (1D100<=45) > 54 > 失敗》


《遠縁 : CCB<=40 【聞き耳】 (1D100<=40) > 81 > 失敗》


《杉谷  : CCB<=55 【聞き耳】(1D100<=55) > 72 > 失敗》


KP  では特に感じない


KP  あなた達がそうして路地裏を進んでいれば、ふと視界が開ける。どうやら路

   地裏の中の隙間のような空間だ。そして、そこまで来るとわかるだろう。尋常

   じゃない鉄の臭いが鼻を衝く


KP  そこには、2つの影があった。一つは、2人は知っている。アカネのものだ


皇  「あ、アカネちゃん!」


   そして、彼女の視線の先には


KP  ――――化け物がいた


KP  巨大な魚、と言えばいいだろうか。気持ちの悪い笑みを浮かべ、ねちゃねち

   ゃと粘着質の音が響く。青い背びれが動き、おぞましい姿をさらに際立たせ

   る。正気度喪失1/1d8


《皇  : CCB<=85 【SAN値チェック】 (1D100<=85) > 23 > 成功》


《遠縁 :CCB<=70 【SAN値チェック】 (1D100<=70) > 63 > 成功》


《杉谷 : CCB<=65【SAN値チェック】 (1D100<=65) > 29 > 成功》


[ 皇 天嶺 ] SAN : 85 → 84


[ 遠縁 義和 ] SAN : 70 → 69


[ 杉谷 晴彦 ] SAN : 65 → 64


皇  「な、何あれ…」


遠縁 「緋宮くんに・・え?化魚?」


杉谷 「あれが…宇宙人……?」

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