参加者の命そのものを賭けたポーカーに挑む、命知らずのギャンブラーたちの物語。
ハードボイルドな雰囲気が魅力のお話です。
本当にただポーカーするだけのお話なんですけれど、もうとにかく格好いい。
しれっと「男の勝負」なんて言っちゃう主人公のスタイルが好きです。
ある種のスノビズムというか、『あえて格好つける・見栄を張る』という本来格好悪いはずの振る舞いを、ひたすら格好良く描いてくれるところが本当に好き。
こういうのに弱くて……いわゆる「圧倒的な強キャラ」的なキャラクターもそれはそれで素敵なものですけれど、しかしそういったヒーローには絶対に持ち得ない種類の魅力が、本作の主人公にはぎゅっと詰め込まれています。
主人公に限らず、彼らギャンブラーの生き様そのものも魅力的。
明日をも知れぬ身の上の、どこかうらぶれたノーフューチャー具合。
治安もへったくれもない雑さとろくでなしっぷりが、物語越しにビリビリ伝わってくるところがたまりません。
きっとこういうのを美学というんだろうなと、そんなことを思わされた物語でした。