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年の瀬に、観光地なのか開国下田道の駅は、それなりに賑わっていた。
下田中の観光客がここに集まってんじゃないかって感じだ。
漁業の市場にプチミュージアムや寿司屋、定食屋、土産屋、バーガーショップまでが併設されていてわりと大きい道の駅だ。
その道の駅の端に、黒船を模した遊覧船が襲来していた。
「おふね! おふね! きゃぁぁぁぁぁぁぁあ!」
「雪! 海に落ちる! 落ちる!」
「うきーーーーー!」
「雪! 走るな危ない!」
はじめての船旅にオレもだけど、それどこじゃないレベルで雪のテンションはダダ上がりだ。
欄干から身をのりだし、甲板を走り回り、
「ぽきーぽきー! ぽきー!」
「ぎゃぁぁぁぁあん」
「ごめんごめんね、ほら雪のポッキーはこっちだろ!」
のり合わせた子のお菓子に手をだすしまつだ。
「やりたい放題だないいぞユキちゃん」
パシャー パシャー
パパ、そこは褒めるとこじゃないんで。
「あ、ほら、ユキちゃん、かもめさんよ! とりさん!」
「とりさん! とりさん!」
うぅ…ユリさん、甘やかすだけじゃなくて教育的指導もしてほしい。
「あらだって、それはお兄ちゃんのお仕事だから!」
ごもっともですが、ごもっともですが、
「ばぁたあしぃー♬」
あぁ…雪がどんどん悪い子になる…
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