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「きゃぁぁぁぁぁあ♬」
「サイコー!」
「ゴーゴー!」
「ちょ、こわい、す、パパ…」
例のごとく、オンボロワーゲンバスは限界を越えるスピードで田舎道(一応国道らしい)を爆走する。
下田駅を越えて、
「うわぁ! すごいぞ! 雪!」
下田の、もうひとつのサーフポイント白浜へ。
ぐうん、と、大きく山を巻くカーブを曲がるとそこに広がるのは、
南国を思わせる白い砂浜、透明に透けたブルーの海、揺れるフェニクス…冬だけどどこかにハイビスカスが咲いていそうな『南国』の景色だった。
「トロピカル! パラダイス!」
「あぁ♬」
ガンッ ガッコン
ワーゲンバスは白浜海岸の向かいに現れた、やっぱりポイント唯一のサーフショップ 白浜マリーナの駐車場につっこんでとまった。
「すっげ、」
オノロアサーフとは違ってこちらはいかにもサーフショップだ。
だれもいない国道にサーフスクールの幟をはためかせ、軒先にたくさんのサーフボードが並んでいる。
ここならジョニーが、
「なんだカイト、きょうはこっちのほうが風がいいら。なに、多々戸で入ってきたの? 荒れてたじゃんね」
て、やっぱりおじぃちゃんなんだ…
ダウンを着込んで腰を縮めたおじいちゃんが、迎えてくれた。
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