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 「新しいお洋服、買いにいかないとね、」

 「あい♬」

 「ユキちゃん、あした、お買いものね!」

 「あい! あい! ぽきーぽきー!」

 「あら、ポッキーも買うの?」


 『ママとお買い物』に雪はテンションマックスだ。


 これは、スイミーをあと三回読まないと眠れないやつだな…

 (絵本は、バイト先の店長がよこしてきた。小学五年生だとはなしたのに、「漢字があると、雨飾くんが読めないでしょ?」て、見事に絵本ばっかりだ)


 「パパとタカシくんが海入ってるあいだにいきましょうか」


 ゴトッ


 音がして振り向くと、パパがはらぺこあおむしを落としたかっこで固まっている。


 「ついでにタカシくんの私服も買ってくるね?」


 ゴトッ


 オレもスイミーを落として固まる。


 え? ダメすかこれ、横浜北部の正装なんすけど、


 ユリさんが丸い目をさらに丸くして笑う。

 「そんな上下ネズミ色のスウェットでふらふらするなんて、多々戸ビーチでは許されないから」

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