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  *


 「みんな、ユキちゃんが大好きね」

 「まぁ、それは」

 ユリさんは嬉しそうだ。


 オレも嬉しい。さすがオレの弟だ。


 オレはだれにも好かれたことなんか、なかったのに。


 「ユキちゃんはみんなに愛されている」

 ユリさんが雪のぷくぷくほっぺにキスをする。

 「うきゃきゃきゃ♬」

 雪がくすぐったそうに笑う。

 オレも気持ちがくすぐったくて笑う。

 パパもなぜかくすぐったそうに表情なく肩を揺らす。


 みんな、雪が大好きだ。

 失ったもののぶんだけ、それ以上に、愛されている。


 雪には、それだけ愛される権利があるんだ。そうだろう?


 チビには、よりよく生きる権利が、あるんだ。

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