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雪のドキュンパジャマは、向ヶ丘工業高校 服飾科女子らの手づくりだった。
「こんなかわいい子に服がないとかありえねぇから」
「うちらがつくったげる〜ね〜ユキちゃん」
「あい♬」
「「「きゃぁぁぁあ(ハート)」」」
「いや、すっげぇ遠慮したい…」
パーカーに、その裾から覗く程度に詰めたスカート。そのしたにはダボダボスウェット。さらには足元サンダルで登校。冬なのにサンダル。
伸びすぎたネイルと流行遅れのつけまつげ。傷んだ髪から覗く耳たぶちぎれそうなでっかいピアスとはだけた襟元から見える安っぽいゴールドの首飾り…
川崎女子のセンスはハンパない。
そんなやつらお手製パジャマなんかごめんこうむりたい。
雪にはもっとこう、山手な服を、
「金もねぇくせになにいってんだよ」
「タバコに使ったんだべマジサイテー」
「ユキちゃんかわいそー」
「うる、うるせぇな! おまえらのつくった服なんて一回洗濯したらぼろぼろだろーがよ」
バカにしたら、
「おまえにいわれなくねぇから」
て、ビンタがとんできた。
川崎女子の強気はハンパない。
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