4

 「包丁を持つと、人を刺しちゃうの」




 「え、」

 「えへ」

 「え、」

 「内緒、ね?」

 「え、」


 ちょっと痛そうに、笑む。


 「それ、」


 「お客さまっ!」


 と、


 お菓子コーナーから響いてきた叫び声に、思わず肩を揺らす。

 「ゆ、ゆきっ!」

 「ユキちゃんっ!」


 お菓子コーナーに駆けつけると、

 「ゆきっ!」

 「パパっ!」


 「あぁぁぁあ〜♬」

 「いいぞユキちゃんさすがはパパの息子だ」


 あらゆる味のポッキーを食い散らかすモンスターと、

 散らかった空箱に囲まれてご機嫌小躍りするそのよこでポッキーモンスターを連写するパパとを、

 店員さんが驚愕の表情で声を上げる。

 の、図ができあがっていた。

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