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 きょうは、お買い物。


 *


 「お昼はなに?」


 ゲストハウスにきょうも予約はなく(こんなでよくやっていけるな)、いつもどおり午前中には波乗りの練習。午後には雪の勉強と宿の掃除だ。


 昼飯は、


 「マック、す」


 その日は宿の買い物で下田駅にでるんで、駅前マックにするつもりだった。グラコロの季節だし。


 「マック? マクド●ルド?」

 パパのウェットスーツを干してたユリさんの表情が険しくなる。


 「はい、え?」

 「まさか、タカシくん、」


 ヤバい、いつもコンビニ飯です、とかいえない。


 「そこのローソンで三食すませてます、とか、ないよね?」


 「あ、いや、」

 「あい! あらあけ、ん!」

 「タカシくん!」

 「いや、オレ、飯とか、つくれ…」


 『あなたは人を刺しちゃうから』


 て、家庭科だって包丁を持たせてすらもらえてない。

 ついでにアパートにも、親父がまだガキなオレを刺しちまってから民生委員のおばちゃんに取り上げられて、包丁はない。


 「パパ! パパぁっ!」

 ユリさんの怒号に、なにごとかとパパが風呂から降りてくる。素っ裸で。

 「午後はイオンにいきます!」

 「??」

 「ユキちゃんのごはん、買いにいきます!」

 パパはあいまいに頷くと、思い出したみたいにもそもそ腰にタオルを巻いた。

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