おかぁさん
1
スパーンッ
「ぉおっ」
「サイズどうら?」
「いや、ま、まま、まってください! おかぁさん!」
突然、襖、あけないでくださいいまオレふる、ふる…、
*
「ここ、」
て、レジの奥、
いやいや、家じゃん。
襖を開けた普通の和室で、
「これ、ね、」
て、渡されたすっごくきつい全身タイツみたいな…ウェットスーツを着るのに必死になっていた。
波乗りするのはタカシくんで、タカシくんはオレだ、と、ユリさんに改めて? 聴いたおばちゃんは、
「よかったよぉ、用意しといたんだからぁ」
て、またやっぱりすごくうれしそうに店の奥からオレ用だとゆうウェットスーツを引っ張りだしてきた。
トルソー部分をラバーで覆ったブルーのやつ。腕と腿の外側に、波が山を喰うようなロゴが入っている。
「セミオーダーだけど、まぁ〜、若い子なら大丈夫でしょう」
「セ…? オーダー、すか? これ、」
「香織ちゃんからサイズがきたじゃんね」
梅ちゃん(香織ちゃん)、なに個人情報流してんの⁉︎
「十万、」
「え?」
「ボードとあわせて二十万」
「に…っ」
「香織ちゃんが、ボーナスとんだって、笑ったんだら、ほら! はやく着といで!」
オレも、たぶん、みんなに愛されていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます