4. 咲夜さん攻略本(1)
4. 咲夜さん攻略本(1)
オレは『魔王』の正体を聞いて部屋に戻る。ベッドに入る前に今日1日の咲夜さんのことを書き起こしておくことにした。いわば咲夜さんの『攻略本』だ。本当にこれで攻略できるかは不明だが。
彼女を理解するには会話の成立、意思の疎通、真意の汲み取りが重要だからな。まずは歩み寄るための準備が必要だ。
今日の感じだと、幸い咲夜さんに嫌われているような感じではなさそうだし、お互いの理解が出来れば咲夜さんと……。あんなことやこんなことを……。
…………。
「……うわあああああああ!!!」
すまん。取り乱した。ただの思春期の高校生の男子の妄想だから許してくれ。これは健全な行為なんだ。いわば精神統一と同じ。……ふう。よし落ち着いたぞ。それじゃあ気を取り直して書いていこうか。
オレは空白の魔導書を取り出す。表紙がピンクのものを選んだのは学校の咲夜さんとは違い、家ではかなり楽しそうにしゃべるギャップが可愛いからだ。
そのまま表紙に『咲夜さん攻略本』とマジックで大きく書いておく。
……何やってんだこれ?
我ながら恥ずかしいことをしている認識はあるが、仕方ないことなんだ。オレがこのギルドで生きていくためには必要なことだから。
【咲夜さん用語集】
大天使スカーレット=ナイト様⇒詳細不明
魔王⇒おそらく学校生活の事
ソロ⇒おそらく1人で生活する事
パーティー⇒同居
ギルド⇒家
騎士の誓い⇒違えてはいけない約束事
作戦会議室⇒リビング
空白の魔導書⇒ノートやメモ帳
今分かるのは、こんなものか……?それにしても……。
「さっぱり分からん」
そして攻略本を閉じてベッドに入る。まだまだ魔王を倒すのには時間がある。何とかそれまでに咲夜さんを攻略してみせるぞ!と意気込みながら眠りにつくのだった。
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