氷の妖精

ナカムラ

氷の妖精

 僕は、氷の妖精リンク。

 森の中の湖が凍っていて、その湖で僕は、踊っている。

 周りの森の木々は、青々としている。


 どこからか音の美しい調べが聴こえ、その音に合わせて、氷の上で、くるくる回ったり、真っ直ぐ、スーッと進んだりして、僕は、楽しく踊っていた。


 すると、森の動物達が、集まってきた。

 リスやキツネやアライグマやウサギあらゆる動物達だ。

 皆、楽しそうに僕の踊りを見ていた。

 それにしても、もう、そろそろ踊りを止めたい。

 でも、僕は、踊り続ける。

 踊りを止められない。


 それに、おかしい。

 なぜ、氷の湖なのに、こんなに、森が青々としているのか。

 それに、この音は、どこから流れてくるのか。


 そうだ。

 僕は、ガラスのドームに囲まれたオルゴールの中の陶器の人形だ。


 先ほどから、少女が嬉しそうにうっとりとした表情で、何回もオルゴールのゼンマイを巻いて、覗き見ていた。

 完

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氷の妖精 ナカムラ @nakamuramitsue

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