第1話 またはじまり

庵野宮有栖は悪夢を見た。

夕暮れの学校の教室の一角

顔のハッキリしない女子生徒が有栖にこう告げた。

「ここは昔、山が在って神社が在ったの。主に邪気や穢れを封じて抑え込む為の、でも区画整理の際、御神木を斬って山を切り崩して今に成ったと。だからこの学校の校舎裏の柵の向こうは魔物が居るの、入った者の心を問う魔物が。怖いもの見たさで来た人は後悔しか無いけど、貴女なら貴女の心に気付くでしょう」

その直後、場所が瞬間移動の様に変わった、

紫百合女学校の裏、

所謂『のっぺらが丘』

のど真ん中だ、

その真ん中に有栖が居た、更には彼女の眼の前に卵が置かれてた、

身長160mの有栖に対して約半分位

「何ですのこの卵、汚らわしい」

有栖が卵を蹴った、

その瞬間卵が割れた、

中は何も無い

すると場所が一瞬で変わった。

庵野宮邸の廊下、

有栖の居る廊下の向こうに人がいる。

ズボンにパーカーとシンプルな出で立ちだが、パーカーのフードを降ろすと、有栖に似た顔の少女、

「誰か!誰か居ませんの?侵入者!侵入者が居ましてよ!」

誰も居ないかの様に反応しない、

「貴女、誰なのですの?私と同じ顔をして汚らわしいたりゃしませんわ」

その少女は背中に手を回すと剣を取り出した、逆手で二振り…

「なっ!」

少女は手にした剣で有栖を斬りかかろうとした、

有栖は逃げるしか無かった。

曲り角を見つけて其処へ曲りその先のドアを開けて部屋に入った、

部屋に置いて在った、テーブル等の家財具等をドアに押し付けた、

コレならと想った矢先、

ドアは剣で斬り砕かれて。家財道具も食パンを噛じって食べるかの様に切り砕いた。

少女の手にした剣が斬り掛かろうとした、その時。

有栖自身も気が付くと何時の間にか手にした剣で受けた、

一回、二回…何回か受けても少女は容赦無く剣を振るい、

徐々に恐怖で支配された有栖は剣を大きく上に上げて下に大きく振った。

「…!!!!!」

有栖は眼を覚ました、

「…一体何ですの?」

有栖は自身の悪夢を思い出した。

のっぺらが丘の卵

自身に似た顔の少女の襲撃

心を問う魔物

「…汗が凄いですわ」

汗を拭う前に夜風を少し触れようと窓を開けた、

「…また貴方ですの?ネクスベバイオン、いいえべバー」

〔貴女にそう言われるのも…まあソレはソレとして〕

「私がまた選ばれた訳ね。お父様とお母様にお祖父様に其処まで悪い事は…」

〔貴女は貴女の心の闇が大きい、ソレは自らを滅ぼす位の〕

「…心を問う魔物ね」

〔?〕

「なら受けて立ちましょう、私勝ち逃げを言い訳にする奴は気に食わないもの」

〔なら聖句を詠唱する?〕

「勿論ですわ。…我はそ…」

〔2回目からは変わるよ。内容はこう『我は我。汝は汝、我は汝に非ず。汝は我に非ず、極端な闇と光りに飲まれて消えよ我と汝の影』〕

有栖はそのまま真似する様に。

「我は我。汝は汝、我は汝に非ず。汝は我に非ず、極端な闇と光りに飲まれて消えよ我と汝の影」

クローゼットの隙間から淡い光りが漏れた、クローゼットが1人でに開き其処からネクスベバイオン本体が出てきた。

有栖の身体が量子化し手ネクスベバイオンに吸収した。

ネクスベバイオンのバイザーから有栖の顔が見えかけた後、姿が消えた。

数分後、屋敷の外

〈一体何ですの!光線は見えるのに姿が見えない何て!〉

(ネクスレガリアンかネクスメガノドンの仕業だろう)

〈何ですの汚らわしい、あんなに居た何て〉

(いいえ『たった1つの願いの為の戦い』がまた開催したんだよ、そして貴女もその資格が有る、あの2騎は長距離攻撃を得意としている)

〈ならまた勝負仕掛けたら探して八つ裂きに〉

(レガリアンは光学迷彩、メガノドンは千里をも見渡せる程の望遠能力を持ってるんだ)

〈撃つには有利過ぎませんの?〉

(そう…7騎居るネクストには夫々得意が有る、貴女のは平均的な性能に手数を攻めるタイプ)

〈全く手古摺らせますわね〉

ネクスベバイオンは部屋に戻らず屋敷の屋根まで飛んで立った、

〈ですがこの勝負も私の勝ちに決まってますわ。ホッーホッホッホッ!!〉

高笑いした。

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