第14話 理想恋愛
それから1か月過ぎ――――
祐哉とは、友達以上恋人未満な関係の中、お互いの部屋を行き来していた。
ある日の事――――
「祐哉ーー、いるのーー?」
「………………」
「祐哉ーー?……祐哉っ!!」
床に横たわっている祐哉の姿。
「祐哉っ!!」
「……………」
「祐哉っ!!ねえっ!!大丈夫!?祐哉!!」
目を覚ます祐哉。
「…あれ…?…友霞…じゃん。どうしたの?えっ…!?俺の部屋だよな?」
私は涙をこらえ
「バカッ!昨日から連絡しても全然繋がらないから…」
「えっ!?あっ!本当だ!充電切れじゃん!いや〜、昨日、飲みすぎてたからな~…」
「…バカ…本当に心配したんだからねっ!!来たら倒れてるし…私…」
「…友霞…」
グイッと抱きしめる祐哉。
「…ゴメン…友霞…」
私は安心したかのように、大粒の涙が溢れる。
「………………」
私は押し退け、立ち上がる。
「…友霞…?」
「買い出し行ってくるっ!!心配だったから仕事終わって、すぐ飛んで来たから!本っ当っ!仕事所じゃなかったんだからね!!」
出掛け始める。
グイッと引き止めるとキスをした。
「一緒に行く」
「…えっ…?」
「良いじゃん!二人で買い出しも。自分の買い物あるついでに」
「…分かった…」
私達は二人で出かける
そして夕飯の支度をする
二人でキッチンに立ち
二人で共同作業する
いくつになっても
この関係でいたい
結婚しても
二人で肩を並べて
二人で料理して
『仲良いですね』
そう言われてみたい
憧れの家族設計
いつまでもラブラブな
関係でいたい
もちろん洗い物も
一緒にしたいと思うこと
二人で協力しあって
お互いの作業決めあって
時々 子供みたいに
無邪気にジャンケンして
理想の夫婦だったり
理想の恋人だったり
それが
私の憧れの理想の生活ライフ―LIFE―
ねえ 祐哉
あなたは
どんな理想がある…?
「じゃあ、帰るね」
「えっ!?帰っちゃうの?」
「帰るよ」
「どうして?まさか他に男いんの?」
「いないです!じゃあね!」
私は帰り始める。
グイッと引き止めた。
「…俺…帰したくない…」
振り返る私の視界に入ってきたのは
子供のように
イジケてる彼の姿を見て
私の母性本能をくすぐってしまう
「ワガママ言わないの!第一…私達は付き合ってるとか、そんな関係じゃないんだから」
「…友達以上…恋人未満…キス止まりな関係…」
「そういう事。じゃあね!」
バタン
私は祐哉の部屋を後に帰る。
「…俺の想い…知ってて…友霞も満更じゃねー気がすんのに…」
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