第5話 デート
「綾瀬ちゃーん、飲み過ぎじゃねーの?」
「あのー……どちら様……?」と、あゆみ。
私は親友の、あゆみと飲んで私は泥酔状態。
「あー、俺、彼女の……」
「…弟分…」と、私。
「…弟…分…?」と、あゆみ。
「そう。心配…しなくも…良いよ…。ごめんねー。あゆみ、今日は付き合わせて」
「いいけど……」
「あのー…彼女、何かあったんですか?」
「うん…ちょっとね…」
「…そう…ですか…あっ…一人じゃ危ないだろうし送りますよ」
「あ、ううん、私は……」
「いいえ!送ります!彼女が心配しますよ」
そう言うとタクシーを拾い、私達3人は帰る事にした。
そして私は彼の家に連れて行かれ―――次の日。
「…んーー…痛い…頭が…」
「飲み過ぎ!」
ドキッ
「うわっ…!ゆ、祐哉君っ!?…痛…」
「バーカ。落ち着けよ。頭に響くだろう?」
「はい。どうぞ!」
薬と水を渡す彼。
「それ飲んだら送るんで」
「け…結構ですっ!」
「いいえ、送ります」
「大丈夫です!」
「……………」
「じゃあ強制的だっ!」
「なっ…何を…そんな事したら…」
グイッ
私の手を掴むと引き寄せる。
ドキッ
「面倒見たんだから1日付き合えよ!綾瀬友霞さん」
「………………」
スッ
離れる彼。
「それでも…駄目っつーなら……」
「わ…分かりましたっ!!文句言える立場じゃないし。つ、付き合います!」
そして、その日、1日のデートをする事になるのだった
次の日。
「なあ、祐哉。昨日の女、誰?」
「女?誰?」
「いや、俺が聞いてんだけど…街で見掛けた。年上の女って感じだったし。もしかして手取り足取り教えてもらっ……」
バコッ
友達を打つ彼。
「彼女は友達。つーか、浩史君、変に誤解しないでくれねーか?俺は彼女いねーし。…第一…」
「忘れられない女がいるもんなー」
「まあ…いるけど…昨日の彼女は…別に…ちょっと…な…」
「またまた〜」
そんなある日の夜。
「あっ!綾瀬ちゃん!」
声のする方に目をやると、そこには祐哉君の姿。
「…祐哉…君…」
「今日も飲んでんの?お酒」
「ううん。今日は全然」
「そうか」
「家帰って飲もうかな〜なんて」
「一人寂しく?それって…超寂しくない?」
「仕方ないでしょう?」
「俺が20歳だったら俺もーー。とか言って一緒に飲めるのに」
「そうだね」
「なあ」
「ん?」
「綾瀬ちゃん、いい加減、連絡先教えて〜♪」
「連絡先?あれ?私、まだ教えてなかった?」
「そっち任せだから」
「あー、そうか!そうだったね!ごめん、ごめん。でも、まだ教えない!」
「えっ!?」
「だって私、25歳だよ?祐哉君、19じゃん!」
「もしかして…年齢差…気にしてんの?」
「…まあ…」
「たかが、6じゃん!別に良くね?」
「いやいや。6も違うの!」
「年の差カップルの 6 は可愛いもんだろ?10以上とかあるのに」
「これだから…19って…あのねーー、私は25!すぐに30になるの!結婚して、子供産んで、家族築いて…あなたみたいに、19とか、20代前半は、まだまだ遊びたい盛りなの!年の差を甘くみるな!」
「それ、綾瀬ちゃんの拘りだろ?」
「えっ?」
「早く結婚したい俺にしてみれば滅多にいチャンスなんだけど」
「何言って……あなたは、あなたなりに自分の人生を歩んで下さい!さよなら!」
「ええーーっ!、一緒に人生歩もう!あ・や・せ・ちゃん♪」
「………………」
私は、無視をして歩き始めた。
隣で騒ぐ彼には、正直ウザい気もするけど
なんか一生懸命さに可愛く見えてしまう。
恋の花火は
まだ
止まったまま
でも……
導火線は
ゆっくり ゆっくりと
火は進んでいく……
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