第16話 錆び付く人形(錆び)

ビー玉のような瞳に貴方が映る度私の頬は薔薇色に染まる。


「彼女ほんと優しくて…」


恋人の話はやめて。


胸の内の悲鳴。


段々意識は朦朧となり体の動きも鈍くなる。


「それで…また錆びついたのか」


丁寧に人形の錆を取る彼。


再びネジを回せば全て忘れて私は蘇る。


恋を知り絶望にまみれまた錆び付くのだ。

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