第14話 幽暗の森(幽暗)

太陽の光さえ届かない木々の奥深く、私は唐突に目覚めた。


何処?


私は誰?


何も思い出せない。


重なる幹の向こうに微かな明かり。


誘われるように歩けば背後に冷たい気配。


「どこに行くのかね?」


押し寄せる記憶。


吹き出す冷や汗。


そうだ。


私は昨夏生贄に─。


大蛇に引きずられ幽暗の森へと私は堕ちていく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る