第5話 永遠の線香花火(線香花火)
暗闇に橙色の火花が散る。
細い棒の先で儚く輝いて。
「線香花火は嫌い」
「何で」
「すぐ消えるから。願い事があるのに」
彼は花火の下に手を入れた。
発光する掌。
シャボン玉のような膜が花火を包む。
プカリ。
宙で永遠に輝く火花。
「願い事叶いそう?」
「…それはこれから決まる」
貴方に向けた、熱い視線。
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