音楽学校

高校生になった私は音楽学校に通うことにした。胸に希望を萌して入学したものの、待ち受けるのは理想と違った。いや、違くない。それを承知の上で入学したのだから。私は元々吹奏楽部に所属していた。小学三年生から中学三年生まで計六年間、打楽器を担当しており、その実力は周りから天才と呼ばれるほどだった、らしい。そのこともあって自分の実力を過信していたのだ。「私ならやればできる。」と高をくくっていた。実際に学校に入ってからギターとピアノを始めた。ふたつとも実習の授業があり、各々家で練習をしている。そんな中、私は学校まで往復三時間かけて通っていたこともあり、練習する時間がなかったのだ。そのこともあいあまってか私は次第に授業についていけなくなった。自分の実力を過信していたのもあり、「どうして私はみんなについていけないのだろう」と、いつも思っていた。遠距離のハンデがあるとはいえ、それを知っていてもなお自分で選んだ道なのだ。今更逃げるなんて許されない。もう高校生なんだ、自分の責任は自分で取らねば、そんな気持ちはあっても邪魔だった。体は動かないし、夜も薬なしには眠れなくて、明日が来るのが怖い生活を送っている。それでも、この世界には「愛」がある。私は信じている。信じるだけ無駄なんていわれることもあるけれど、何かを疑うのではなく、何かを信じて新しい道を切り開きたい。これを書いているときは学校には行けていないけれど、行けていないからこそできる経験もあると思うし、向いていないからこそなれるものがあると信じて、私は今日も生きていきます。

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