第4話 変なサイト
「変なこと、したくなるのが人間よね」
変な気を起こして淳子はいきなり俺に馬乗りで挑んで来た。彼女の女性器が直接、俺の腰のあたりで肌に触れて妙に生々しい。そんなことお構いなしで淳子は好色女の実力を発揮する。俺はポケットから取り出した紙切れを、俺の顔に乳房を押しつけて興奮してるエロキチ女に指し示して、
「これ何だと思う?ほら、取って見てご覧」
淳子は白い指で紙切れを取って見た。中央にボールペンでただ、
「リカちゃんの禁じられた実験室」
と書かれていた。何のことか皆目分からない。変な顔をして、
「何よこれ。あたしを馬鹿にしてんじゃないわよねえ」
と淳子が今度は、俺に背中を向けて屈み込んだかと思うと、ズボンのファスナーを下げて俺のぺニスを取り出してはおいしそうにフェラチオを始めた。俺は突然のオルガズムを全身で感じながら、
「そうなんだ。この紙切れ、昨日のお昼に、近くのコンビニの電話ボックスでたまたま拾ったのさ。問題はこれが何の意味なのかということ。君に分かるかな」
「中華料理のメニュー?おもちゃのブランド?雑誌の名前?ぜんぜんわかんない、答えを教えてよ」
いつの間にか淳子のフェラチオは絶頂に達していた。めくるめくオルガズムで俺は息を失いながら、
「おい、たまらん。ちょっと待って。・・・・・・・・・ああっ、おかげで分かったよ、そうそう、あのパソコン、どこやった
っけ」
「パソコン?何でここでパソコンが出て来るのよ」
「何で今まで気づかなかったんだろう。簡単なことだった」
俺は笑って、
「アドレスだよ、インターネットの。いや、検索サイト名というべきか。これは面白くなった。おい、果てるよ、勘弁して」
「行けば?知らない。・・・・・・・・・でもそのサイトって何のこと?」
「・・・・・・・・・リカちゃんの、と、これでいい」
俺はパソコンの画面に食い入るようにしてキーボードを叩いた。シャワーを浴びて風呂から出て来た淳子がピンクのバスタオルを身体に巻いて俺にすり寄って来た。パソコンの画面が、暗くなって、
中央に消えてしまいそうに小さなタイトルで、
「リカちゃんの禁じられた実験室 こちらが入口」
と出た。俺は構わずにENTERした。サブタイトルが出た。
「18歳未満の方は入場を固くお断りします」
再び俺はENTERキーを押した。画面が明るくなった。
パソコンの画面いっぱいに女の子の全身像がアニメで現れた。
隣に、あれこれと色んなアイテムが並んで配置してある。
「何だ、これ。新手のパソコンゲームかよ、コイツがリカちゃんか」
「何なの。この娘、まるでファションモデルね。でも服のセンスがイマイチよね。イメージからこの色ね」
淳子は隣のアイコンからオレンジのカラムを選んだ。俺はしばらく躊躇したがオレンジを入力してENTERした。チャイムが鳴って、画面のリカちゃんの着たワンピースがオレンジ色になった。確かに可愛い。でもこのサイト、何かおかしい。
「これ、いったい何よ。気味悪い」
アイテム欄の下に、凶器が色々と並んでる。ノコギリ。ナイフ。拳銃。機関銃。金属バット。ロープ。あれこれあれこれ。
「これが良い。レベルの順に並んでるよ」
いくつかのカラムが配列されて、
「観察」、「おしゃべり」、「デート」、「セックス」、そして、
「報復」 とある。
「何だか危ないわよ、この雰囲気。やめた方がいいんじゃない」
「いや、調べてみる、これで・・・・・・・・・」
俺は迷わずに、「おしゃべり」キーを選んだ。画面が切り替わって、
突然、ライブ画面で画面いっぱいに本当の女の子が片手にコーラのカップを持ちテーブルにバーガーとポテトを置きモグモグと頬張りながら楽しげに画面を覗いては変な顔をして、
「えっ、おじさん、誰よ。いま、何かおかしい。ちょっと待って」
と、どうやらスマホをいじり始めたらしい、俺は慌てて反射的にENTERキーを押した。画面が戻った。俺は勇気を出して、「報復」のキーを押した。
画面が暗くなった。
中央に小さく文字が出た。
「それでは報復されたリカちゃんのかわいそうな最後を
こころゆくまで存分にお楽しみ下さい」 とある。
画面が変わって、画面の真ん中に椅子が置かれて、どこか寂しげな少女が手足をロープで縛られて拘束されていた。部屋は何処なのか薄暗くて不明である。セーラー服からみて女子高生だろう。まだあどけない顔つきの少女だ。でも彼女は縛られても笑い顔を浮かべていた。
急に画面の隅から革手袋をした二本の手が現れた。手は落ち着いた様子で、容赦なく少女のセーラー服を手にした登山ナイフで切り裂いていく。ズタズタにされて、少女は上半身、裸だ。初々しい乳房が眩しい。でも相変わらず少女は笑っている、というよりも無表情か。革手袋はスカートを引き裂いて奪った。娘はパンティー1枚になった。白い太股が欲情を誘う。熟れた娘の肉体。突如、サイレンが鳴って、部屋が赤い照明で点滅を始めた。危険信号だ。何が起こる。手袋が出た。手には小型拳銃が。ああ、どうなる。
嫌な予感は的中した。
突如、拳銃が火を吹いた。
娘の柔かな肉体に、冷たい弾丸が次々と喰い込んでいく。
血が吹き出た。
娘の全身が蜂の巣になっていく。娘が口からプッと血を吐いた。
「これ、ヤラセじゃないよ。やけに地味な演出だとばかり思った。殺人サイトだ。この娘、殺される」
「君の身体は、本当、セックスのために育ってるのか」
「生きるセックス。楽しみがなきゃ」
早速、騎乗位から淳子は紅潮させてペースを合わせて来た。息も早い。お尻を振って求愛のサインも欠かさずに、すでに喰い込んで体内にある俺のペニスを女性器がねじれるくらいに深く挿入したまま、過激にピストンを繰り返す。喘ぐ淳子。
「結局のところ、あのサイト、お問い合わせの電話にかけたけれど、誰も出てこなかった。行方不明。謎だな」
「あの子、かわいそう。どこの誰かも分からずにひとり、殺された」
ストロークは加速する。早いピッチで淳子の肉体が揺れ、熱い肉棒が果てなく反復して止まらない。
「いま、この瞬間も、何処かで、誰かが、冷酷に、殺されている、そんなものだよ 世の中って」
ついに絶頂の時。淳子の肉体は虚しく宿命の如く男の証を甘受してその時を迎え、充満した欲望の果てに噴出した精液の勢いは、まるで雄獣の咆哮を思わせる強い力で圧倒して全身を支配する。とろけるように柔らかくしゃぶりつきたくなる肉体が沈黙する。そして安らぎの感覚。淳子は、生まれたままの身体を男に預けて憩いの時を。俺はセブンスターの煙で輪っかを飛ばして、
「今日のお昼、コンビニでバーガーとポテトのコンビにするか」
世の中には、いい奴も悪い奴もいる。でいて、悪い奴もよくよくみれば、いい奴に見えてくる。世の中、そんなに捨てたものでもないか。今日も俺と淳子のフェラチオな、じゃなかった、セクシャルな日々は何とはなく過ぎていくのだ。
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