第3話 レイプ常習犯

「レイプって変態よね。あたしならサービスしちゃうのに」

淳子の小さな赤い蕾が俺の唇で濡れて、反射的に彼女はのけ反るように敏感に反応した。拒絶というよりも羞恥のあらわれだ。俺はさらに行動を加速して秘部の接吻から執拗なる刺激を加えて淳子の官能に直接訴えた。異臭が俺の鼻を突く。

「でも、こいつはれっきとした犯罪者だぜ。問題がある」

俺は淳子の身体から離れた。彼女が不満げに声を出した。俺はベッドの隣のテーブルから今朝の新聞を取り上げると、三面記事を彼女に見せた。都内で多発している婦女暴行事件だ。

俺が優しく乳首を吸いはじめると、淳子は感じているのか、身体をやや強張らせて成り行きに任せている。舌を使って舐めると声を鳴らして喘いだ。いっそ傷つけたくなるように白く透き通る肌だ。

「ううん、そのレイプ犯って、どんな男なの、とっても興味ある」

「性別、これは男か、でも年齢不詳。都内在住。夜間行動癖あり。あとは不明だ。とにかく彼は新聞によるとこの一月で十件以上の暴行事件を起こしている。常習犯だね。気がしれんよ」

「嫌がる女に興奮して犯すんでしょ。気持ち分かるわあ」

何だか、気分が乗らない。ここで俺はベッドから起き上がって煙草を吸ってみた。うまい。


「で、警部さん。容疑者は上がってるんですか」

俺は疲れた坂巻警部の様子に同情した。ストレスもかなりのレベルだね。隣で淳子がしきりに着ているミニスカートの裾を気にしている。確かにミニはよく似合う。露出した太股はムッチリと抜群のボリュームだ。

「いや、まだ分からん。犯人は女子高生を専門に狙うマニアだね。犯行も深夜の公園か駐車場に限られる。犯行の手口もいたってマニアックなものだ。被害者の供述によれば、まず騒がぬように口をガムテープで塞いでおく。あと暴れて抵抗出来ないように後ろ手で手錠を嵌める。それから事に及ぶという寸法だ」

何かおかしい。ただのミニスカじゃないな。疑ってると、良い具合に淳子が小さく足をひらいて椅子に座り直したので、俺は頑張ってスカートの中を覗いた。案の定、ミニスカだけって訳じゃない。ノーパンだ。いかにも淳子の好みだ。

「ただ犯人は用意周到、手がかりも抜け目なく残さない。犯行に使った革の手袋も麻のロープも後でしっかり廃棄している」

スカートの奥は黒い陰毛が覗いて赤々した陰唇まであからさまになっている。まるで無防備だ。

「全速力で捜査して犯人の検挙に当たっている。今回の連続レイプ犯行の真相究明は警視庁の威信をかけてこれに勤めるということだ」


「あら、恭介。今日は朝から何だか楽しそうね」

早朝の目覚めは、淳子の下着の甘い香りとともに過ぎ去った。俺が残り香を懐かしんでいると、いつの間にか濡れた淳子の唇が俺の唇と硬く結ばれていた。ペースが速い。淳子は囁いたが喉元を優しく口づけると嗚咽して息をついた。

「レイプ犯の見当がついたよ。君のノーパンが思わぬちからを出してくれたかな」

淳子はまんざらでもない顔つきであからさまに喜んでいる。こんな所が憎めない。俺は頑張って淳子の下着を上手く抜き、あらわれた柔らかい下腹部を両手で丁寧にもみしだいた。興奮した淳子は息を荒げて身を反らした。反応しているようだ。

「じゃあ警部さんに急いで教えて上げないと」

と、淳子がちゃっかりと入れ知恵したが、俺は苦笑して何も言わずに、一緒に寝ていたスマホを取り上げて電話をかけた。しばらく電話にかかっていたが用件を済ませると切って煙草を一本吸った。やっぱり煙草は旨くてやめられない。不安げな顔で淳子が尋ねて来た。

「どこにかけてたのよ、気持ち悪い」

「良いところだよ、愛しのハニーちゃん」

頭から布団をかぶって俺は淳子の唇を激しく奪った。彼女の熱気が伝わって来る。さらに口づけは唇から喉、胸と下りて吐息の熱を感じて乳首を甘く吸ってみる。ぬんっと淳子が小さく足をひらいて敏感に反応したが、俺は続いて弾力のある豊満な乳房を両手の平で包み込むように愛撫すると、理性を失った淳子が自ら求めるように腰を浮かして秘めたところの疼きを感じている。恍惚とした感覚も束の間に俺はいきなりラストスパートして行為に移った。淳子の秘裂を割って俺の熱を上げた太い肉棒が淳子の魂までも貫いて挿入されて烈しくストロークする。喘ぐように口をひらいた淳子の身体が行き場なく身悶えすると俺は呼吸を合わせてストロークを繰り返す。やがてリズミカルに淳子が身を委ねたまま揺れて、やがてクライマックスが訪れて、俺は意を決して腰に意識を集中すると思い切って射精に移る。喘ぎ声が最高に達したと同時に俺の白濁した精液が淳子の身体を駆け抜けて奥深くに届き、官能の甘い蜜が溢れて、オルガスムが淳子の身体を優しく満たした。甘美な時の移ろいがあった。


「でさ、レイプ犯って結局、どこの誰よ。恭介不思議だ、知ってんでしょう」

「はははっ、こいつは参った。さっきの電話、どこかけてたと思うね。警視庁さ。・・・・・・・・・坂巻警部その人がレイプ犯の正体さ。驚いたのは俺の方だよ。まさかね。でも彼自身が自ら墓穴を掘ってる。昨日、彼がこんなことを口にしている。「レイプ犯は犯行時の革手袋や麻のロープを後から廃棄した」こんなこと、本当の犯人じゃなきゃ知らない具体的証拠だぜ。何故、そんなこと、警察が知ってるんだ。きっと警部さん、疲れてつい口が滑ったんだろう。でも致命的ミスさ。彼自身がレイプしたからね。でも、人って、本当に分からないよね。あんな優しそうなオジサンが凶悪なレイプ犯だぜ、不思議だ」

「あのオジサンなら、あたし、喜んでレイプされるのに。けっこう真剣に抵抗したら興奮して来て展開が楽しみよね」

「何言ってんだよ、こいつ」

 世の中って、思っているよりも広かったり、狭かったりする。それに、良いものでも悪いものでもないらしい。不思議なものだ。そんな不思議な今日も、俺と淳子のセクシャルな日々は何とはなく過ぎていくのだ。


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