第六話 収納

連休中、「近くまで買い出しに来た」という中学時代からの友人と会った。

わたしは相談というよりも『肯定感』が欲しくて、彼に戸建ての話を切り出した。


「いいじゃん。いいと思うよ」


彼は(おそらく)心から応援してくれたと思う。

他人の意見がすべて「正」とは言わないが、計算上は上手くいっていても、正直なところやはり第三者的な意見が欲しい。金額が大きいとなおさらだ。


「で、収納家具とかは決めているの?」


友人のふとした質問で、わたしは答えに窮した。


家具……?


わたしは収納がとても下手で、おそらく他人の力を借りないとまともに片付けができないほどアホだ。家具についても同様で、テレビ台くらいしか計画に入れていなかったほどだ。


「……家具、いるかな?」


いや、いるでしょう。と、友人が言う。

でも具体的にどういう種類のものが??


部屋に乱雑に置かれたモノを見ながら、わたしは途方に暮れた。


「何を買えばいいのか見当もつかんな」


私は片付けができない。





つづく

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