第五話 視察

土曜は朝イチで通院だった。

思っていた以上に空いていたおかげもあり30分足らずで診察を終えたわたしは、時間を持て余したこのタイミングで、ふと現地を見に行きたくなった。



某県X市の隣、○駅をしばらく南下するとその場所はある。

通り沿いはコンビニとスーパー以外、びっくりするほど何もないがこれでいい。

通販とネット回線があれば21世紀はもうそれだけでいいのだ。


現地はというと、話に聞いていたとおり基礎工事のコンクリートが打ってあるだけで、あとはこれからという状況だった。本来ならズカズカと敷地に入って通りからの距離感などを確かめたいか、不動産の担当も同乗していないため、路肩に停めた車の中から様子を伺うことしかできない。



ナビ的にも会社から25分程度の距離だった。

最寄りの駅からも程よく離れており、自動車通勤問題もクリアできる。


7月中旬には建物は完成し、そこから駐車場やらのコンクリを打ち、外構まわりを完成させる手はずである。あと2か月ちょっとだが、正直待ちきれない。非常にもどかしい。


今できることといえば、市役所で各種書類を揃えることくらいだ。

印鑑証明と、所得証明証。

そしてマイナンバーを抜いた住民票。


いつも思うのだが、住民票は毎回「マイナンバーを抜いてくれ」という。

その程度の数列ならそもそも導入しなければいいのに。

実に日本のお役所らしく、そしてくだらないシステムだと思う。



さぁ、今週は連休の中日(なかび)で人が少ない。

上司の目を気にせず、市役所に行くには絶好のチャンスではないか。





つづく

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